ネットゲーム依存 克服は困難

治療は困難

インターネット・ゲーム依存症の克服は簡単なことではありません。

インターネットゲーム依存症 脳は「快・喜・楽・幸・満」などの行為を繰り返そうとする」のページでも触れましたが、依存レベルになると、脳の報酬系が壊れてしまい、インターネット・ゲーム以外のことには関心や喜びを感じるのが困難になってしまいます。

加えて、脱離症状も登場するようになり、インターネット・ゲームをしていないと、うつや不安、睡眠障害、イライラ、無力感などに悩まされます。浸っている間はこれらから逃れていられるのです。

他のことには関心を持てず、インターネット・ゲームをしていないと様々な離脱症状が出るというのですから、やめるのは簡単なことではないのです。

薬物依存と比較した克服の難しさ

覚せい剤などの薬物依存の場合と比較しても、依存という観点からはやめることの難しさはほぼ変わりません。薬物の場合と同様、何十年も続いてしまうことがあります。

覚せい剤などの薬物依存の場合、幻覚や幻聴、被害妄想などの離脱症状が強く、より頻繁に表れるので、本人にとっても苦痛をもたらします。

苦痛が大きい分、「やめたい」という気持ちが持ちやすくなります。加えて、法律違反で厳しく罰せられるというリスクも「やめたい」という方向に力添えしてくれます。

しかし、ネットゲーム依存の場合、違法どころか、オンラインゲームはかなりの人気があります。また、覚せい剤依存とは違い、離脱症状も比較的軽いので、やめる動機が持ちにくい面があります。

入手のしやすさ

入手のしやすさはどうでしょうか。

覚せい剤などの薬物依存の場合、金銭的にもより高価で、かつ違法、という危険な入手のリスクがあります。小学生のような子どもが自ら望んで手に入れるのは困難です。

ところが、インターネットゲームの場合、インターネット環境さえあれば、無料・安価で、合法的に、ほとんど苦労なく手に入れることができます。年齢制限もないに等しいので、小さな子どもでも操作さえできれば、簡単に関わるプレイすることができます。

そういった入手のしやすさは、より多くの人がネット依存の世界に入ってくる要因の一つで、やめるのを難しくするのに一役買っています。

放っておけば、いつかは飽きる?

むやみに「やめよう」などとは思わず、やりたいだけやって、放っておけばいつかは飽きて自然にやめれる時が来るのではないでしょうか。確かに、そういうケースもあります。

しかし、単なる「熱中・没頭」と「依存」は違うレベルです。

一度依存レベルにまで達すると、アルコール依存症やギャンブル依存症、薬物依存症と同じレベルで考えなければなりません。考え方や意思の問題ではなく、脳の器質が変わってしまっているのです。

放っておけばアルコール依存症は自然消滅するでしょうか。ギャンブル依存症の人が飽きたからといって、やめますか? 覚せい剤依存の人が刑務所で刑に服し、やっと出所したから、再発しないでしょうか。ネトゲ依存も同じで、放っておいてもよくなりません。

脳の萎縮や時間の浪費、人間関係の衰退など、生じてしまった被害をここで食い止めるためには、それが依存症という病気であることを認識したうえで、治療や支援を行なっていく必要があります。

このように、ネトゲ依存がたいした問題ではなく、病気であることを認知しにくいことも治療を困難とするのに一役買っているのです。