月経前不快気分障害とは

月経前不快気分障害

女性には特有のうつ病になりやすいホルモン的な理由があります。女性ホルモンの代表格であるエストロゲンなどの変化が影響していると考えられています。

たとえば、月経開始の数日前に抑うつ感や不安感が強くなり、不快な症状をもたらす「月経前症候群」があります。

月経前に情緒不安定になったり、イライラしたりすることは、女性のうち2~5割の人が体験するといわれています。

そのうち特に、強い精神的な苦痛を伴うもの、生活への支障が1年以上続く場合には、「月経前不快気分障害」と診断されます。

以下は専門医が診断の際に用いるDSM-5における月経前不快気分障害の診断基準です。

月経前不快気分障害の診断基準

A. ほとんどの月経周期において、月経開始前最終週に少なくとも5つの症状が認められ、月経開始数日以内に軽快し始め、月経終了後の週には最小限になるか消失する。

B. 以下の症状のうち、1つ以上が存在する。

①著しい感情の不安定性(例:気分変動;突然悲しくなる、涙もろくなる、拒絶に対して敏感になる)

②著しいいらだたしさ、怒り、または対人関係の摩擦の増加

③著しい抑うつ気分、絶望感、または自己批判的思考

④著しい不安、緊張、または「高ぶっている」、「いらだっている」という感覚

C. さらに、以下の症状のうち1つ以上が存在し、基準「B」と合わせると、症状は合計5つ以上になる。

①通常の活動(例:仕事、学校、友人、趣味)における興味の減退

②集中困難の自覚

③倦怠感、疲れやすさ、または気力の著しい欠如

④食欲の著しい変化、過食、または特定の食物への渇望

⑤過眠または不眠

⑥圧倒される、または制御不能という感じがする

⑦他の身体症状、例えば、乳房の圧痛または張り、関節痛、筋肉痛、体重増加、身体が膨らんでいる感覚がする

注意:上記の基準A~Cの症状は、先行する1年間のほとんどの月経期間で満たされていなければならない。

D. 症状は、苦痛をもたらすものであり、仕事、学校、通常の社会活動または、他者との関係を妨げたりする(例:社会活動の回避;仕事、学校、または家庭における生産性や能率の低下)

E. この障害は、他の障害、例えばうつ病やパニック障害、気分変調症、パーソナリティ障害などの症状の増悪ではない(これら他の疾患が併存する可能性はあり)

F. 基準Aは月経周期になる前から予想でき、そのとおりになることが2回以上ある

G. 症状は物質(例:薬物の影響、医薬品、その他の治療)や、他の医学的な疾患の作用によるものではない。