統合失調症 まとまりのなくなる解体症状

混沌としている

統合失調症の症状の一つに解体症状というものがあります。解体症状とは簡単にいうと「まとまりがなくなること」を意味しています。

思考の混乱

解体症状が現れるのは、本人の思考が混乱しているからです。考えをまとめる力が落ちている状態を「思考障害」と呼びます。思考障害があると、考えがうまく進行せず、とぎれとぎれにしか話せなかったり、論理的に筋道立てて話すということが困難になります。

ですから、聞いている人からすれば理解しがたい内容のものとなります。たとえば、次のような感じで話す若い女性がいるかもしれません。

「ほしい服があります…学校に行かなくてはいけないんです。弟が来ていました。お下がりは嫌なんです、だから…弟ですか、いえ、来週には会えると思います」

ひとつひとつの文節はできていますが、前後のつながりをみるとき、まとまりは崩壊しています。個人的な連想で言葉が出てつながってゆくため、聞いている人には話が飛んでいるように聞こえます。

このような状態時は、話している本人も途中で何を話しているのかわからなくなったり、考えが途切れて話が中断してしまうということが生じます。さらに悪化すると、言葉がただ陳列されているだけの「言葉のサラダ」状態になることがあります。

本人にしかわからない感覚表現

解体症状によって話にまとまりがなくなるのには、別の要素も関係しています。それは、本人が伝えようとしている内容自体が周りの人には理解しにくいという面があります。次のように離されたなら、理解しにくいと感じるのではないでしょうか。

「これ以上盗らないでください。肌がなくなってしまいます。肌をください。耳の分だけ走って追いかけてきます。ちょうど後ろ向きな肌のところまで来ています。なんとかしてくれませんか」

それぞれの文節を見ると、言葉として完成していますが、前後のまとまりがないことと、他の人にはよく理解できない本人だけの感覚が含まれています。このほかに本人にしか理解できない造語を使ったりすることもあり、ますます周囲は理解に苦しみます。

自分自身の常識や経験の枠を超えたものに出会うとき、人間は奇妙さを感じます。普通の常識からは聞く人はその意味をすんなりと理解することができないのです。

奇妙さは本人も感じている

奇妙だと感じるのは周囲の人だけではありません。本人自身も現実と呼ばれているこちら側の世界に対して違和感や奇妙さを感じているのです。

本人の視点になってみると、こちら側の現実の世界が不自然でよそよそしいものに感じたり、不可解さや不気味さの満ちたところと感じているのです。

統合失調症の人からすれば、その症状は現実との接触が失われた状態で、この現実に生きづらさを感じながら生活しているといえます。