依存性パーソナリティ障害 一人では生きていけない

一人では歩んでゆけない人々

依存性パーソナリティ障害(英語: Dependent personality disorder,通称DPD)とはどのような障害なのでしょうか。「依存性」というその名のとおり、いつも誰かに依存して生きていくスタイルをもっています。

自己主張ができず、いつも誰かに合わせ、決定権を委ねる姿は、生活全般において見られます。自分に主体性がなく、自分で決定することを苦手とし、ささいな決定に関しても親兄弟や友人、恋人などに頼ってしまいます。着る服一つ買うのも自分で決められない有り様です。

赤ん坊型と献身型

依存性パーソナリティ障害には正反対に見える2つの種類があります。ひとつは、受動的な依存が特徴の「赤ん坊型」、もうひとつは、能動的な依存が特徴の「献身型」です。

赤ん坊型は文字通りの赤ん坊が生きてゆくのに全面的な世話を必要とするように、何から何まで人に頼るパターンです。

依存の対象は、子供の頃は親、社会に出たら友人や同僚、恋人ができたら恋人、結婚したら配偶者、時には自分の子供に依存することもあります。

献身型に比べると、自立心や生活能力が低く、常に誰かに頼って相手の顔色をうかがい、上手に甘えながら保護を受けようとします。

しかし、赤ん坊がそうであるように、相手が横暴な態度を見せたり、DVを行なったり、性的・経済的に搾取してきてもそれに耐えてすがりつくしかないと考えます。

献身型は、赤ん坊型とは違い、生活力や自立能力は問題ありません。むしろ活動的だったりもします。

ですが、自分で主体的に生きていくかといえばそうではなく、「一人ではダメ、生きていけない」と思い込みます。そのため、リーダーシップをとってくれる人を求めてしまいます。良いリーダーや恋人に巡りあえば幸せですが、頼る相手を間違えると不幸な結果になります。

献身型というその名のとおり、遊び人で暴力的な夫や恋人であっても自己犠牲的な献身を捧げたり、カルトや新興宗教にのめり込んで利用されることがあります。

依存性パーソナリティ障害の診断基準

次に挙げるのは、DSM-5における依存性パーソナリティ障害の診断基準になります。

面倒をみてもらいたいという広範で過剰な欲求があり、そのために従属的でしがみつく行動をとり、分離に対する不安を感じる.

成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる.

以下のうち5つ(またはそれ以上)によって示される.

①. 日常のことを決めるにも、他の人達からのありあまるほどの助言と保証がなければできない.

②. 自分の生活のほとんどの主要な領域で、他人に責任をとってもらうことを必要とする.

③. 支持または是認を失うことを恐れるために、他人の意見に反対を表明することが困難である(注:懲罰に対する現実的な恐怖は含めないこと).

④. 自分自身の考えで計画を始めたり、または物事を行うことが困難である(動機または気力が欠如しているというより、むしろ判断または能力に自信がないためである).

⑤. 他人からの世話および支えを得るために、不快なことまで自分から進んでするほどやりすぎてしまう.

⑥. 自分自身の面倒をみることができないという誇張された恐怖のために、1人になると不安、または無気力を感じる.

⑦. 1つの親密な関係が終わったときに、自分を世話し支えてくれるもとになる別の関係を必死で求める.

⑧. 1人残されて自分で自分の面倒をみることになるという恐怖に、非現実なまでにとらわれている.