依存性パーソナリティ障害 原因

原因があって現在がある

依存性パーソナリティ障害の原因としてどんなことが考えられるでしょうか。パーソナリティを形作る上では遺伝よりも親の育て方によるところが大きいように思われます。

この依存性パーソナリティの人がどのような育てられ方をしたか振り返ると、親が過保護で、支配的という共通の特徴を見出すことができます。

子供に対してすぐに親が助け舟を出し、子供が困らないように先に手回ししておきます。また、親の視点で「正しい」ことを子供の意思に関係なく「押し付けて」きました。

親からすれば子供は未熟なので、何から何まで助けてあげることが最善だと思ってそうしています。親に悪意はありませんが、その善意は子供の最善ではありません。

子供の意志や願いを尊重するより、親の意向を優先する点では、ネグレクト(無視)と大して変わらないのです。

考えて決定する能力が育たないまま大人へ

そのような接し方を繰り返しているうちに、子供は判断を親に求める癖がつきます。決定は自分の願いではなく、親の顔色次第です。

そうして、自分で主体的に判断し、行動する能力自体が育たないまま大人になります。慢性化すると、ごく簡単なことでも、いちいち親に意見を求め、決定を仰ぎます。

次第に自分には意思決定能力の点で欠けており、一人ではできないと思い込むようになります。自分の生き方を決める「主」は、親から恋人や配偶者、我が子など移り変わってゆきます。

そのようにして、結局誰かに頼らなければ生きて行けない弱い人格が出来上がってしまうのです。決定をいつも依存対象に求めるので、いつしか自分の本当の願いは何なのか、自分というものがわからなくなってきます。

自分の人生の舵取りを他人にまかせてしまったため、依存対象がいなくなると、自分がどう生きれば良いのかわからなくなります。

回避性・強迫性になっていたかも

幼い子供からすれば、依存型になるのは、親に嫌われないようにするための本能的な戦略でした。過保護・支配的な親のアンバランスな養育は子供のパーソナリティ育成に障害をもたらします。

どこで枝分かれするのか、いくつかの要因が関係していると考えられますが、強迫性パーソナリティ障害や回避性パーソナリティ障害にも同様の原因があります。

親に忠実すぎたのが強迫性パーソナリティ障害、否定ばかりで主体性を潰されたのが回避性パーソナリティ障害、親に頼りすぎたのがこの依存性パーソナリティ障害です。

同じ発端ですから、強迫性や回避性の症状とも重なる点があると考えられます。ちなみに、強迫性の特徴はおおまかに次のような点です。

・きまじめで、責任感が強く、自分に厳しい

・予定通りでないとならず、融通がきかない、柔軟性に欠ける

・努力すれば何でも叶う、うまくいかないのは自分の努力が足りないから

・完璧主義、自分のやり方は正しい、他の人もこの方法ですべきだ

・捨てられない(物、仕事、人間関係、思い出、環境など何でも)

回避性パーソナリティの特徴は次のような点です。

・自信のなさ、自分はダメ人間なので何もしないのが良い

・対人関係は恐怖、目立つことや関心を集めるなどもってのほか

・責任なんてまっぴら、めんどうでしょうがない

・失敗や傷つきが怖い