回避性パーソナリティ障害とは

いつも自信がない人たち

回避性パーソナリティ障害とはどのようなものでしょうか。これは、傷つくことをとても恐れるため、自信がなく、何でもあきらめやすいタイプです。

褒められたことがないため自信に欠ける

回避性パーソナリティを生み出す要因のひとつに、小さい頃から褒められて育っていないということが挙げられます。

そのため、自分に自信が持てないまま大人となり、それは常に自信のない、オドオドした様子や、チャレンジする前から失敗すると思い込む点などに表れます。

否定的な思い込みが強く、「自分には能力がない」、「魅力もない」、「他人から嫌われてしまう」などという思いを持っています。

ですから、何をするにも消極的、おっくう、めんどくさくなり、何もしないことが一番良いと考えます。

情熱的な目標や野心、出世欲といった活気のある行動派とは反対のタイプで、何事にも本気になれないどこか冷めたところがあります。「回避性」という名前の由来はこうしたことにあります。

人が苦手

回避性パーソナリティタイプは、基本的に自尊心が低く、劣等感を持っています。ですから、他人の注目や関心を集めることを嫌がります。そうした状況はできるだけ避けようとします。

人と接するときには、「自分には魅力がない」、「嫌われるかもしれない」という思いが心のどこかにあり、誰かと会う前から不安や緊張感に襲われます。いくら隠したところで相手には伝わるところがあり、余計に盛り上がりに欠ける雰囲気を作ってしまう場合があります。

そうなると、恐れていたことが現実になったように思い、ストレスを感じ、さらに落胆してしまいます。「こんなことなら一人でいたほうがいい」と一人でいることが楽に感じ、親密な結びつきを避けようとします。

人が苦手、自己主張も苦手、おまけに他人に迷惑をかけてはいけないという思いもあるため、自分が精神的に行き詰まった大変なときでも、苦しさを表に出したり、誰かに助けを求めることはしません。自分の内に悩みやストレスを溜め込んでしまうのもこのタイプです。

自信のなさから人を避けたいという願いはありますが、同時に人を求める気持ちもあります。もっと気の許しあえる友人が欲しい、比較的安心できる人と交流したいという気持ちが時々生じるため、自分の中で相反する思いによって板挟みになることがあります。

責任が嫌い

この手のタイプは、自分には責任を担えるだけの器がないということで、進学や就職、結婚など、大きなプレッシャーがかかり、責任が生じる選択をできる限り回避しようとします。それゆえ、できるだけ責任の少ない人生を自由に生きたいという静かな願いがあります。

失敗したらどうしよう、大きな間違いをしたら立ち直れない、といったような不安があり、せっかくのチャンスに対しても実力以下の選択をしたり、遠慮気味なところがあります。

プレッシャーがバネになる人もいれば、プレッシャーでダメになる人もいますが、回避性パーソナリティの場合は後者です。他の人に期待されることが苦痛なのです。

異性関係においても、もともと自分に自信がないために、積極的にはなれません。好意を持ってくれる人に対してもそっけない素振りを見せたり、わざと嫌われるような言動を選ぶこともあります。体を見せることもどちらかというと苦手なため、肉体関係にも消極的です。

責任を受け入れることに対する否定感はこうした様々な場面に影響を与えます。

長所

回避性パーソナリティの人にはどのような長所があるのでしょうか。自信がなく、いつもおとなしい感じは、逆に見れば、出しゃばらず、控えめで、他の人にとっては恐怖感を与えない安心の存在です。

自分の意見を持っていたとしても、他人と意見が異なれば進んで合わせる柔軟性も持ちあわせており、全体の和を乱すことが少ない平和主義者です。控えめで自己主張をしませんが、秘めている能力は高い水準の人も多くいます。

人間を相手にする接客業や営業などは苦手ですが、物や数字を扱う仕事、あるいは自然や動物を保護育成したり、あまり脅威とはならない子供相手の職業、メンテナンス系の業種などが向いており、それらをそつなつこなします。