境界性パーソナリティ障害の特徴 最高と最低の往復

境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害の特徴のひとつに、気分の両極端性があります。最高の気分か最低の気分のどちらかであって、中間の安定した気分であることはほとんどありません。その最高と最低の気分の間を行ったり来たり往復しているような感情の状態です。

昨日は、もしくはさっきまであれほど気分が良かったのに、現在はこの世の終わりかと思えるようなどん底の気分になっているようなことがしばしばあります。

最低の気分に陥ると、すべてが無意味で、自分は生きる価値などない人間のように感じます。絶望や自己否定感ゆえに、自己破壊行動に走ることもあります。

しかし、よく観察してみると絶え間なく「どん底の気分」というわけではなく、合間に青空が覗いているかのように元気になることがあります。

楽しみなことがあったりすると、嬉しそうに出かけて行ったりします。ですからこの点はずっと「どん底状態」の通常のうつ病とは違います。

両極端の感情は人間関係に対しても表れる

基本的に境界性パーソナリティ障害の人は愛情飢餓にあるため、常に自分を支え、顧みてくれる人を求めています。

そういう人に出会うと、相手に対する期待は急激に高まり、「この人こそ自分が求めていた人だ」と思い込みます。

そういう相手に対しては、悪いところや欠点などまったくないといったような理想化をします。もしくは、相手に親に求めるような愛情を期待するかもしれません。どちらにしても強い依存状態になります。

最悪の相手だった!?

強い依存状態になり、常にもたれかかられると、相手も精神的にきつくなってきます。相手は過大な期待に圧倒され、距離を置こうとするかもしれません。

相手が距離を置こうとすると、境界性パーソナリティ障害の人は、見捨てられるのでないかという不安が強くなり、ますますしがみつこうとします。

しかし、いよいよ相手が離れていってしまうと、期待が大きかった分、失望や裏切られたという怒りは強く表れます。

今まで理想化していた相手に対し、手のひらを返したような攻撃が始まります。言葉や態度で相手を攻撃し、困らせようとする行動に出ます。こうしてお互いに傷つき、悲しい幕切れとなるのです。

このように、境界性パーソナリティ障害の人は自身の気分も最高と最低の往復状態であり、人に対しても理想化された万能の評価か、最低の人間かと両極端の評価をします。「全部」か「まったくなし」、「100」か「0」、「白」か「黒」といったように、極端の見方をする傾向があり、いいところもあるが、欠点もあるといったような中間的な視点を苦手とします。