うつ病(大うつ)の特徴 疲れやすさとイライラ

疲れ

うつ病(大うつ)の特徴のひとつは疲れやすさや気力の減退です。これは、疲れるほど運動したり、体を動かしていないにもかかわらず、すぐに疲れたり、身体がずっしりと重く感じられるようになることです。

以前はなんともなかったようなことでも、ひどく疲れを覚えたり、何倍も苦痛に感じられるのが特徴です。

頭の中で、やらなければいけないのはわかっているのに、やる気やエネルギーがぜんぜん湧いてこず、重りでもつけられたかのように体が動いてくれません。

仕事や家事や勉強などに取り組むにあたり、やりたくないのでやる気が湧いてこないのとは違います。

気力が低下して、何もやる気が起きなかったりするだけでなく、服を着る、顔を洗う、歯磨きをするという日常生活の当たり前のなんでもないような作業でも時間がかかったりします。当たり前のことが当たり前にできなくなってしまうのです。

本人からすれば一生懸命に頑張っているつもりなのに、それが思うようにできず、周りもそのことがよくわからないので、理解してもらえない苦痛も伴います。

イライラなどの精神運動障害

精神運動障害とは、イライラやあせり、それに伴う運動の制止、または促進などをあらわします。うつ病になると、他の人から見てもすぐにわかるほど身体の動きが遅くなったり、口数が少なくなったり、表情が消え、声が小さくなったりします。

ひどくなると、ほとんど身体を動かすことができず、寝たきりのような状態になります。本人にとってみれば、気持ちの上では普通に体を動かしたりしたいのに、それが思うようにできず、気ばかりがあせってイライラします。

また逆に、少しでも落ち着いていられず、そわそわしたり、じたばたしたりするようになることもあります。落ち着きがないとき、表面的には元気そうに見えるので、周囲もまさかうつ病だとは気付かず、治療に至りにくくなります。

落ち着きのなさは口数にもあらわれ、必要以上におしゃべりになるほか、いろいろなことを執拗に訴え続けることもあります。

あまりにもしつこく、急き立てられるようにしゃべっている場合には、やはりその裏に抑うつ気分が存在しており、それを話すことによってなんとか取り除こうとしている場合が多いようです。

集中力の低下

うつ病(大うつ)の特徴のひとつは、注意が散漫になって、集中力が低下してしまうことです。そのことは、仕事や作業効率に影響を与えます。スピードは低下し、成績は下がり、うまくいかなくなります。

課題をミスなく効率良く処理する能力のことを「実行機能」と呼びます。うつ病になると、この実行機能が障害を受けます。

その結果として、集中力が低下し、根気がなくなり、決断力がなくなって、物事をてきぱきと決められなくなります。作業に時間がかかるようになり、ミスも増えてしまいます。

自分で以前とは何か違う、うまくできない、頭が働かないなどと異変に気づきます。以前のように上手に取り組もうとしますが、どうも、頭がうまく回りません。気持ちだけが空回りします。

40~50代でうつ病にかかり、この症状が出た人は、若年性の認知症になったのではないかと外来を受診するわけですが、よく調べてみるとうつ病だったということがよくあります。

実際に高齢者のうつ病の場合、この症状が出ると認知症のように見え、誤診されることもあります。

実際の認知症との違いは、抑うつ薬などの薬物治療で改善されるということです。認知症だと薬物投与で進行を遅らせることはできても治すことはできないからです。

逆に、実際は認知症なのに、うつ病と誤診されることもあります。認知症の場合も以前と比べてなんとなく元気がなくなったり、記憶力が衰えてくるなど、うつ病と似た症状のために間違いやすくなってしまうのです。

また、高齢者の場合、うつ病発症をきっかけとして、だんだんと認知症が出てくることもあるので注意が必要です。