女性はなぜうつになりやすい?

女性

女性のうつは男性の2倍で、生涯一度でもうつ病を経験する確率は約25%と高くなっています。

子供の頃や年をとってからの男女比にはそれほど差がないのですが、思春期から更年期にかけてのいわゆる生殖年齢期にとりわけうつ病の発症率が高まるようです。

軽い躁とうつ病を繰り返す双極性Ⅱ型障害や、気分の浮き沈みが激しく、強い自己否定を特徴とする境界性パーソナリティ障害も女性に多く見られます。

女性に多くある女性ホルモンは、気分や意欲に関係し、うつ病の発症に絡んでいます。女性がうつ病になりやすい、最も注意を必要とするのは、女性ホルモンが急激に変化するときです。

女性ホルモンの量が急激に変化するのは、お産を経験した直後の産褥期と、閉経に向かう更年期です。この時期に多くの女性が精神的に不安定になりやすく、周囲の理解と支えが必要とされます。

更年期が終わって、女性ホルモンの量が安定すると楽になるのですが、その量が上がったり下がったりしている不安定なときが気分・意欲に大きな影響を及ぼします。同じことは思春期から青年期にかけても言えます。

過剰反応をおこしやすい女性ホルモン

女性ホルモンは多ければ良いというものではなく、分泌が活発な人ほどうつや不安を感じやすいようです。月経周期に伴う変動が大きくなるためと思われます。

女性ホルモンのひとつであるエストロゲンには、ストレスに対する過剰反応を助長する作用があります。そのため、女性は特にストレスや外敵と思われるものに対する反応が過剰になりやすい傾向にあります。

エストロゲンの分泌が活発な女性が、ささいな危険に対しても大げさに反応するのにはそのような生理学的な意味があるのです。

抗うつ的な作用のある男性ホルモン

女性ホルモンとは対照的に、男性ホルモンには、抗うつ的な作用があります。自信やエネルギーを増大させ、活動的にし、不安やストレスを抑える方向へ働きます。こうした理由からも男性には比較的うつ病が少ないと言えます。

しかし、男性ホルモンが減少してくるいわゆる女性でいう更年期の時期に、男性も危険にさらされるようになります。

男性ホルモンが活発に分泌していた若い頃に比べて、ストレスに対する抵抗力が下がってしまい、以前ではなんともなかったようなことがこたえるようになります。男性ホルモンの低下とともに、不安や抑うつが忍び寄りやすくなるのです。

もちろん、悪いことばかりではありません。男性ホルモンが活発だったゆえに、攻撃的だった人がよりおとなしくなったり、丸い性格へと変わってくることもあります。