ADHDの症状 整理整頓が苦手・忘れ物が多い

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ADHDの患者は片付けや整理整頓が苦手で、忘れ物が多いという特徴があります。これは、ADHDの症状のひとつである「不注意」とも関係がありますが、脳の「記憶障害」も関わっているのではないかと考えられています。

私たちの脳には「ワーキングメモリー(WorkingMemory)別名・作業記憶・作動記憶」、「手続き記憶(proceduralmemory)」と呼ばれる働きがあります。

ワーキングメモリー

ワーキングメモリーは短い間情報を蓄えておく記憶ですが、これは情報を保持している間にほかの情報処理を行うことができる優れものです。

たとえばコンビニで買い物をするときや、本をいくつか買うときなどに、財布の中身を思い出しながら、欲しい物の値段を覚え、買えるかどうかの計算をします。

また、誰かと電話で会話しながらもフライパンを振って料理をしつつ、時計を見て時間の確認をしたりすることができます。

ワーキングメモリーの働きは、このようにほぼ同時に忘れることなく、いくつかの思考を働かし、作業をすることができます。

手続き記憶

「手続き記憶」とは技能を繰り返し経験、練習することにより、その操作の規則性を学習・獲得するものです。これらの技能の獲得は、操作を繰り返していく中で所要時間や誤り回数の減少という形で表現されます。

難しい作業でも何回かやっているとうまくできるようになりますが、これはこの手続き記憶の働きがあるおかげなのです。

楽器の演奏が練習で上達してゆくことや、はじめはうまく乗れなかった自転車が転びながらもだんだん乗れるようになること、パソコンのタイピング、水泳など多岐に渡る分野で手続き記憶は活躍しています。

「習うより慣れろ」ができるのはひとえのこの「手続き記憶」の働きによります。これらが障害を受けて機能低下するとしたらどうでしょうか。生活の中でいろいろなことに支障が出てくるに違いありません。

それこそまさにADHDの人たちが経験していることなのです。それが片付けが苦手、忘れ物が多いという結果となって現れるわけです。もちろん、ほかにもたくさんのことが生じます。

ただADHDの患者すべて片付け・整理整頓が苦手かというと、そうではありません。中には、整理整頓、片付けにこだわり、きちんとしている人もいます。自分の興味・関心のあることに対しては並々ならぬ集中力と行動力を発揮するのがADHDの特徴のひとつだからです。