境界性パーソナリティ障害 親を卒業できていない

6g415

境界性パーソナリティ障害を持つほとんどの人が何らかの「親へのこだわり」を持っています。親に愛されて適切な養育と保護を受けて育った人はやがて親を卒業し、自立へと向かいます。

年を重ねるにつれ、心の中で親が占める割合はだんだんと小さくなってゆきます。これが自然の成長の結果です。

うまく親を卒業できない

すべてのケースでうまくゆけばいいのですが、何かの事情で子供が受けるべき適切な養育と保護を与えられないことがあります。必要な時期に十分満たされないと満たされるまで次の段階へ進むことができません。

あるいは逆に、適切な時期に切り離されないと巣立ちの過程が損なわれてしまうことがあります。どちらにしても、適切な時期に必要な課題を行うことが大切です。

うまくいかない場合、子供は大きくなっても親を卒業することができません。境界性パーソナリティ障害の人はこの点でうまく親を卒業できていないケースが多いようです。

本人が気づいているかどうかに関わりなく、生活史・養育歴を丹念に紐解くとたいていそうした時期の存在が明らかになります。

そのため、かなりの年齢になっても引きずり、子どもの時の親を求める気持ちがずっと続いたり、何かの点で親にこだわり続けるということが起きます。

愛情を受けることができなかった理由

子どもが受けるべき愛情や適切な保護・養育を受けることができなかった要素にはどのようなものが考えられるでしょうか。以下のようなことが考えられます。

  • 親の死
  • 病気
  • 離婚や別居などの理由による親の不在
  • 祖父母のような親の不在を穴埋めできる存在がうまく機能しなかった

二親ともそろっており、表面上は特に問題がないように見える場合にも親の愛情・養育・保護を適切に受けることができないケースがあります。以下のような場合が考えられます。

  • 夫婦間の仲が悪い
  • 親の育児放棄
  • 暴力や虐待
  • 子どもを操り人形のように扱う
  • 親がいつもめそめそしている
  • 自信がない親
  • いつも子供より自分優先
  • 親が大人になっておらず、まだ子供
  • 親のひいきで、他の兄弟や姉妹ばかり可愛がる
  • 兄弟や姉妹が病気がちなどの理由により、親の注意がそちらにばかり集中する

このように二親がそろっていても問題がある場合、子供は必要十分な愛情や養育を受けることができません。

家がお金持ち、何不自由のない生活、栄養満点の食事、こうした恵まれた要素があっても、親の愛情がなければ子供は幸せではありません。

満たされるまで次の段階へ進むことができないため、大きくなってからもずっと子どもが親(愛情)を求める気持ちが続いてしまうのです。そうした理由のゆえに境界性パーソナリティ障害の人は親へのこだわりを持っています。