愛着障害 発達障害やアスペルガー症候群と診断されることも少なくない

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発達障害は本来、遺伝という先天的な要素や受胎時、出産時のトラブルによって生じるものです。

愛着障害によって生じる発達の症状と、先天的な要素によって生じる発達障害の症状が似ていることがあるために診断が難しい場合があります。

「愛着障害 子ども時代を引きずる人々」の著者、岡田尊司医師によりますと、アスペルガー症候群として診断された人が実は愛着障害だったというケースに少なからず出会うと言います。

岡田医師が治療に関わった人の中には、愛着障害の改善とともに知能指数が1~2年の間に30点以上も上がった例がいくつか存在し、発達障害ならばそのようなことは起こらないはずだと主張しています。

この発達障害という言葉、最近よく耳にするようになったように、ここ数年で一般に知られるようになりました。その反面、本来の定義の超えて過剰適用される問題も生じています。

愛着障害によって生じた二次的・後天的な問題のケースも多くあることを考えると、より慎重な診断が求められているようです。

治療法が異なる

症状が似ているのであれば、発達障害でも愛着障害でもいいわけではありません。なぜなら、対処やアプローチの方法が異なる面もあるからです。

愛着障害の対処に発達障害のアプローチ法を適用させようとしてもなかなかうまくいきません。

発達障害の普及が強力だったために、なんでも発達障害の視点から対処しようとする傾向があります。正確な診断あっての対処法になりますから、正しい診断は重要です。

発達障害と愛着障害は別問題

愛着障害のために出現する症状を発達障害の症状と考えてしまうケースもあれば、発達障害があるために愛着障害も併発するという場合があります。

自閉症の子供の場合、母親との愛着安定性は、健常児よりも不安定型愛着の割合が高いことが知られています。そのような場合、発達障害への対処と愛着障害に対処する両面からのアプローチが必要になります。

そういった点においても愛着障害の視点が欠けていたのではバランスの良い治療ができません。では、発達障害を持っている場合、愛着障害も併発しやすいのでしょうか。

自閉症以外のアスペルガー症候群も含む自閉スペクトラム症では、健常児と比べて不安定型愛着の頻度には違いがありません。

つまり、発達障害を持っていれば愛着障害も併発しやすいわけではなく、どちらかを発症している可能性が高いということです。

まだまだ認知の少ない愛着障害ですが、これからはこの分野の知識も広がってゆかなければなりません。発達障害と愛着障害は別問題として見る視点が必要です。