統合失調症 発病の初期症状

前兆

統合失調症には、本格的に発病する前に、予兆ともいえる初期症状が見られることがわかっています。

以下に挙げる統合失調症の前ぶれとなる幾つかの症状が出たなら、早期に統合失調症を疑い、予防的な治療を開始する判断材料となります。

自生体験

自生体験とは、勝手に物事を考えたり、以前の場面が思い浮かんできたりするもので、リアルな映像を空想したり、音楽が頭の中でかかったりすることもあります。

これは普通の人でもあり得ることですが、程度の違いに注目することで一線を引くことができます。

こうした状態が頻繁になり、大切な事や肝心なことに集中できないほど、注意をそらされる程度になると、より注意が必要です。

感覚過敏

これは、自分が注意を払っていない周囲の刺激に対してまで感覚が敏感になることです。特に耳が関係したことが多く、特別聞こうとしていないのに、聞こえてきてしまい、本人の注意を奪います。

普段なら特に気にすることもないような周囲の雑音や物音、人の声など、特定の音が耳から入ってきます。ですから、知らない間に聞き耳を立てたり、そんな状態に陥っていることに気づいて自分でも驚いてしまうことがあります。

見られているような感じが強まる

これは誰かに見られているような感じがする漠然とした感覚です。程度が強くなると、誰もいないとわかっているのに、実際にそこに存在して、こちらを見ているかのような感覚がありありと感じられます。ただ、これは幻覚や妄想とは違います。

緊迫困惑気分の増長

緊迫困惑気分とは、その字がイメージさせるように、神経が張り詰めて、何かに追われているような、何かが迫ってくるような、切羽詰まった精神状態です。これが強くなると、周囲のすべてのものが迫ってくるような感覚に襲われます。

認知の障害が起きる

誰かと話しているとき、通常であれば、すぐに内容を理解でき、聞き取れなかったり、聞き落としたりするようなことはありません。

ところが、認知の機能に障害が生じると、瞬時に判断したり、理解したり、記憶したりすることが困難になります。ですから、誰かと話していても、話を聞き落としたり、簡単な内容なのにすぐには理解できなかったりします。

頭の中のワーキングメモリーが低下するため、作業をしていても小さなミスが多くなったり、何をしようとしていたのかわからなくなったりします。

このような注意障害などの認知機能障害が発病の前段階として見られることがあります。

その他

そのほかにも、統合失調症の前触れとなる様々な症状が見られます。

人によってどの症状が出るのかは個人差がありますが、上記に挙げた症状以外には、落ち込みや無気力などのうつ病によく似た症状があります。

食欲不振や、食事の不定期性の増加、不眠、人を避けるようになる、頭痛や頭に奇妙な感覚を感じたり、学業や仕事での特別な理由がないのに成績低下が見られること、傷つきやすくなったり、人間不信に陥るなど、他の多くの病気とも間違いやすいような症状が出ます。

これらの段階は統合失調症が完全に発病してはいないものの、発病しかかっている時期で、潜在期と呼びます。

この時期は、脳の中で異常な現象が始まっているものの、それを他の機能によって何とか補い、バランスを保ちながら生活しているような状態となっています。