演技性パーソナリティ障害 特徴

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演技性パーソナリティ障害とは」のページでも示しているように、演技性の最大の特徴は他人の注目や関心を集めるために自分を演じることです。もともと女性に多いパーソナリティでしたが、最近では男性の増加も目立つようになっています。

演技性パーソナリティ障害の特徴

演技性パーソナリティの特徴にはどのようなものがあるでしょうか。簡単に取り上げると以下のようなものです。

・関心・注目が何よりも重要

・新しい刺激を求める

・気まぐれで気持ちがうつろいやすい

・演技力や表現力がある

・外見に強いこだわりがあり、性的な魅力もあることが多い

・見栄を張る

・時に虚言や仮病を使う

・内面は自信のなさや寂しさを抱えている

そんな彼ら・彼女たちには、俳優、タレント、接客業、サービス業、販売、営業、予備校講師など、対人の職業が向いています。

長所

ほとんどの場合、子供の頃からそのような演技力を発揮してきたため、身についた長所があります。それは以下のようなものです。

・外見や服装が華やかで魅力的

・人とすぐに打ち解ける

・自己表現が上手

・コミュニケーション能力が高い

・反応が早く、バリエーション豊か

・他人の協力を得るのがうまい

実際に外見や性的な魅力ある人が多い

演技性パーソナリティの人は他人の注目を集めるために、外見や容姿、服装などが重要であることを知っています。実際に外見や性的な魅力にあふれる人も多く、それをうまくアピールする術と合わせて周囲を魅了しています。

演技性パーソナリティは、いつでも他人の注意を引き、注目されるよう自分をアピールしないではいられません。その根本には「他人の注意を引けなくなったら自分の価値はなくなる」という価値観があり、自分に関心を持ってもらっていることを実感することで初めて安心できるのです。

彼女らに魅せられて寄ってくる男たちは演技性パーソナリティの持つ「小悪魔」的な要素に振り回されることになります。その気になり、お金やブランド品などをプレゼントしたりして貢ぐかもしれませんが、最終的に心や愛情を得ることはできないのです。

異性と同性に対する態度が違う

演技性の特徴として、特に異性の関心を集めることに力を注ぐようで、魅力的な面を見せられる異性には人気があるものの、同性にはあまり人気がないという傾向があります。

彼ら彼女らを知る同性からすれば、その演技は上辺だけのものであることに気づき、「またか」と愛想が尽きたり、その見せかけの演技にほどほど嫌気が差すこともあります。

こちらの彼氏、夫であっても、それを知っている上で演技性パーソナリティの人は誘惑することがあるので、時にめんどうな修羅場になることもあります。

嘘(ウソ)をついてでも注目されたい

演技性パーソナリティ障害の問題のひとつは、嘘を演じてしまうことにあります。何としても話題の中心にいたいがために、特に話題がないときでも様々な作り話を演じます。たとえば、重病を患っている、事故や犯罪の被害者になった、性的虐待を受けた、学歴や身分や地位に関しての嘘などがあります。

とにかく周囲が自分のことで驚き、心配し、動揺する様子を見たいというだけの動機でほとんど罪の意識のないままに嘘をつきます。

こうした虚言は短期的に見ると、周囲が驚き、心配し、注目するので、演技性パーソナリティの人の欲求は満たされます。しかし、ほとんどの嘘はやがてバレてしまい、信頼低下につながります。

注目を集める目的の嘘

全部で10種類存在するパーソナリティ障害の中でも、嘘をつく特徴を持つものは、「反社会性」、「自己愛性」、そしてこの「演技性」です。反社会性パーソナリティの人は、主に金銭的な利得を得る目的で嘘をつくことがあります。

自己愛性パーソナリティの人は、自分の中で描く偉大な自分を見せようとするときに、現実とのギャップが大きいため、結果として嘘になることがあります。演技性パーソナリティの場合、人の関心を集めることが目的で嘘が用いられます。彼女らにとって、人の関心はお金や名誉より大切なのです。

接し方のポイント

演技性パーソナリティの人が身近にいるなら、どのように接するのがよいでしょうか。

気づかないふりをしてあげる

ある程度の期間、接していると、彼ら彼女の演技もわかるようになります。その演技は彼らにとって人からの注目を集めるためのかけがえのないものです。ですから、たとえ演技じゃないかという疑いを持ったとしても、彼らの演技を暴かないことです。

演技を「それは嘘だ、演技だ」と暴いてしまうことは、彼らの人格そのものを否定することになります。気づかないふりをしてやり過ごしてあげるのが最良の方法です。

その演技に呑み込まれない

冷たい態度やそっけない態度で接する必要はありませんが、敵同士になることを避けるために、一定の距離を置いて、プライベートには踏み込まず、相手に同調しすぎない冷静さが大切です。こちらも建前のもと、ある程度は演じることが役立ちます。

性的な魅力に関しても、軽く見ることができるほど冷めた考えでいるくらいのほうがよいでしょう。

いつも冷静でいる

その演技力は天性のものとも言えるほど、異性として魅力的で、思わず救いの手を差し伸べたくなったり、恋人になりたい、もっと深い関係になりたいと思うかもしれません。

冷静さを失って演技性の人の虜になってしまうなら、どうでしょうか。演技性パーソナリティの人は常に新しい注目を求めています。同じ人からの喝采を何度も浴びることより、新しい賞賛者を数多く求めます。

演技性の人の思い通りに一度コントロールされてしまえば、あとは興味を失われ、捨てられるだけです。ですから、振り回されないよう冷静さを保ちましょう。

振り回されないために褒める

ほとんどの場合、演技性パーソナリティの人の外見やファッション、性的な魅力に注目が行きがちで、多くの人はそこに賞賛を浴びせます。しかし、当の本人はそのような外見への賞賛には慣れていて、「当たり前」感覚があります。

しかし、そのような外側ではなく、人として優れているところ、その人の特質を褒められると本人も嬉しく感じます。たとえば、親切や思いやりのあるところ、優れた感性、知識の深さといった、「人として尊敬できる」ような長所を認めてあげるのは効果的です。

基本的に自信のない内面を覆い隠すための演技なので、その自信のなさをカバーしてくれるような発言ができる関係を築いてゆくと、演技の必要は薄れてゆくのです。