ADHDの症状 対人スキル・社会性の未熟と低い自己評価

ストレスに弱い

対人スキル・社会性の未熟

対人関係を苦手とするのはほとんどのこころの病気にいえることです。ADHDの人も例外ではなく、この点で悩みをもっています。

ADHDの人は、性格ではなく病気ゆえに、相手の立場になって考えたり、その場の空気を読むことを苦手とします。一般の健常者は、人と会話するとき、相手の会話の声だけを聞いているわけではありません。

表情や口調、声のトーン、間の置き方、さらには周囲の様子にも注意を払いながら聞き、相手の気持ちや考えをくみ取ろうとします。これがADHDの人はうまくできません。

ですから、相手の気持ちに同情すること、相手の気持ちを察して慰めたり、励ましたりといったことができないのです。それは、「共感性に欠ける」ということになり、さわやかな人間関係作りに不利なのです。

それゆえ、悪気なく「場違いな発言」や「相手の傷つくような一言」を言ってしまいます。ストレス耐性が低いですから、自分の言動が周囲の反感を買っているとわかると人一倍落ち込んでしまいます。

その場の機転を利かすのが苦手なので、気まずい雰囲気を上手に乗り越えたり、人に賛同したり、好かれるように振舞ったりすることが不得意です。

また、残念なことですが、病気ゆえに自分のいいたいこと、興味のあることを一方的に話して、相手の話には耳を傾けません。自分の話の内容に相手が興味が有るかどうかは関係なしです。

こうしたことの結果として、振り回された周囲の人の不満は募るばかりで、友人や恋人とも長続きせず、いじめや仲間はずれにもあいやすくなります。

ADHDの場合、アスペルガー症候群と違って、人との触れ合い・友情・愛情を求める気持ちは健常者と何ら変わりありませんから、病気がもたらす結果ゆえに孤独感や疎外感に苦しめられることが多くなります。

低い自己評価

ADHDなどの発達障害者は、自分自身を客観的に評価する「自己認知」が苦手です。また、他者の気持ちや感情などを認知する「他者認知」も苦手です。加えて、ADHDの人の多くは悲観的、否定的、被害的とマイナス思考が強いです。

ADHDは小さい頃からの病気ですから、今まで病気ゆえに大変な目にあってきたはずです。
ADHDの患者は一般に自尊心が低いことが多いとされていますが、その理由としては、次のようなことが考えられます。

(1)成功体験を積むことができなかった

(2)周囲の評価が低い

(3)「本当はできるのに怠けてやらない」と誤解されやすい

(4)無理解な大人たちから能力以上の期待をかけられてきた

(5)できる時とできない時があり、症状が変動する

(6)脳の機能障害

小さい時からの成功体験や達成感は重要ですが、病気ゆえにそれらを得る機会が失われてしまったと思われます。

逆に失敗体験や挫折感が多く、叱られることがほとんどの状態で大きくなってきたのなら、どこで高い自己評価、自尊心をもてばよいのでしょうか。

まだまだADHDに関する認知や理解が不足している状態です。正しい知識のないところには誤解や偏見がはびこります。それは人を幸福にはしないのです。