自己愛性パーソナリティ障害 内に秘めた弱さと冷酷さ

弱さ

自己愛性パーソナリティ障害の人は、その自信たっぷりな態度とは裏腹に非常にもろい面があります。基本的に完璧主義者で、自分自身のことをパーフェクトだと考えています。

そのため、自分への非難や指摘にはひどく落胆したり、あるいはまったく受け付けません。耳を貸さずに怒り出すこともあります。彼らにとって欠点や短所を指摘されることは全人格否定されるように感じるのです。

自己愛性パーソナリティ障害の人は、人に物事を教わるのを苦手とします。自分は特別な存在で、自分を教えることのできる存在などこの世にはいないと考えているからです。

叱られたり、文句を言われたりして、自分の思い通りに事が運ばないことを耐え難く感じます。完璧主義でプライドが非常に高いため、それらに傷をつけられた時、非常に弱い一面をみせることがあります。

たとえ成功を収めているように見えても、非難や悪評でひどく傷つき、わずかな失敗でも絶望に至ったり自殺したりすることさえあります。

ときには批判されることにより、自分の弱さが露呈することを恐れて、引きこもりのような生活に陥ることもあります。自分自身を特別扱いすることにより外側を鎧で固めていますが、本当は非常に弱い内面を覆い隠しているのです。

自己中心的で他人に冷酷

自己愛性パーソナリティ障害の人は、基本的に自分のまわりに2種類の人を置きたがります。自己愛性パーソナリティ障害の人は、内面の打たれ弱さとともに、世渡りを苦手とし、現実生活においては子供のように無能で、依存的です。

ですから、様々な現実問題を代行して処理してくれる依存対象を求めます。そのような人に対して自己愛性パーソナリティ障害の人は、しばしば横柄な態度で接し、王のように君臨し、顎でこき使います。

彼らが求める別のタイプは、自分を特別扱いし、賞賛してくれる人々です。この2種類のうち、どちらかであるうちは、自己愛性パーソナリティ障害の人から存在を認められますが、どちらでもなくなると容赦なく排除されます。

自己愛性パーソナリティ障害の人にとって他人は、特別な自分のために奉仕する人々という位置付けなのです。ですから、他者の尊厳や必要が認められることはほとんどありません。

自己愛性パーソナリティ障害の人にとって、あまりにも自分が特別なので、他人のことなど、どうしてもいいのです。極端にいうと、他人は自分の都合や利益のためにだけ存在しているのであって、利用価値がなくなれば、その存在は無価値でつまらないものに映ります。

たとえそれが親であっても、子であってもです。人間関係を損得勘定だけで捉えているので、膨らみ過ぎた自己愛の前には血縁関係さえ影を潜めるのです。

このような意味で、自己愛性パーソナリティ障害の人は、他人に対し、無関心で共感性のない冷酷な一面をもっています。