インターネットゲーム依存症

Internet game

かつて栄華を誇った据え置き型の家庭用ゲーム機の売上は年々減少しています。その一方で、スマートフォン(スマホ)の急速な普及に伴い、スマホでできるゲームをいつでもどこでも気軽に楽しめるスタイルが急増しています。

そのようなソーシャルゲームはスマホさえあればたいていは無料で始められます。ゲームも比較的単純で、難しいことはなく、キャラクターの可愛さやパズル的な楽しみ、他のユーザーとの交流など、万人受けする要素で大きな人気を博しています。

家庭にあるパソコンやスマートフォン、Ipadなどのタブレットなどによりインタネットに接続して行うゲームを「インターネットゲーム」、あるいは「オンラインゲーム」、「ソーシャルゲーム」、「アプリゲーム」などと呼びます。

近年の急速なスマホの浸透により、インターネットゲーム依存症の問題が急浮上してきました。

500万人以上の依存者

2013年に厚生労働省研究班(代表・樋口進・久里浜医療センター院長)が行った調査によりますと、パソコンやスマートフォンに没頭する「インターネット依存」の傾向のある成人男女が全国で推計421万人に上ることがわかっています。

同様の調査が5年前に行われましたが、その数は約1.5倍に急増しています。スマートフォンの急速な普及が背景にあると見られています。成人男女と子供を合わせると、依存が疑われる人は500万人を超えると推定されています。

2014年に行われた総務省による情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査の結果によりますと、スマートフォンの利用率は全年代合わせて62.3%となっています。

これは、日本人10人のうち約6人がスマートフォンを使っている計算になります。ちなみに2014年時点で、各世代のスマートフォン利用率は以下のようになっています。

10代…68.6%、

20代…94.1%

30代…82.2%

40代…72.9%

50代…48.6%

60代…18.3%

一番割合が高い20代では10人中9人がスマートフォンを使用しています。日本人口が1億2500万人として、スマートフォンの利用率を65%とすると、所有人数はおよそ8000万人という計算になります。

利用者8000万人中500万人が依存症になっているというのです。

米国の市場調査会社、イーマーケター(eMarketer)の推計によると、2014年の世界におけるスマートフォン利用者数は16億3900万人ですから、世界的に見て依存者は相当数に及ぶと思われます。

そのうちの多くがゲームに関連した依存症ではないかと見られています。

DSM-5における「インターネットゲーム障害」診断基準

このような世界的な脅威から、DSM-5(アメリカ精神医学会発行の精神疾患の診断統計マニュアル)は「インターネットゲーム障害」を今後研究が進められるべき精神疾患の一つとして仮採用しました。

それにより、医学的な診断基準が正式に定められました。以下はDSM-5における「インターネットゲーム障害」の診断基準です。

臨床的に意味のある機能障害や苦痛を引き起こす持続的かつ反復的な、しばしば他のプレーヤーとともにゲームをするためのインターネットの使用で、以下の5つ(またはそれ以上)が12ヶ月の期間内のどこかで起こることによって示される。

①インターネットゲームへのとらわれ(過去のゲームに関する活動のことを考えるか、次のゲームを楽しみに待つ:インターネットゲームが日々の生活の中で主要な活動になる)注意:この障害は、ギャンブル障害に含まれるインターネットギャンブルとは異なる。

②インターネットゲームが取り去られた際の離脱症状(これらの症状は典型的には、いらいら、不安、または悲しさによって特徴づけられるが、薬理学的な離脱の生理学的特徴はない)

③耐性、すなわちインターネットゲームに費やす時間が増大していくことへの必要性を感じる

④インターネットゲームにかかわることを制御する試みの不成功があること

⑤インターネットゲームの結果として生じる、インターネットゲーム以外の過去の趣味や娯楽への興味の喪失

⑥心理社会的な問題を知っているにもかかわらず、過度にインターネットゲームの使用を続ける

⑦家族、治療者、または他者に対して、インターネットゲームの使用の程度について嘘をついたことがある

⑧否定的な気分(例:無気力、罪悪感、不安)を避けるために、あるいは和らげるためにインターネットゲームを使用する

⑨インターネットゲームへの参加のために、大事な交友関係、仕事、教育や雇用の機会を危うくした、または失ったことがある

注意:この障害には、ギャンブルではないインターネットゲームのみが含まれる。ビジネスあるいは専門領域に関する必要性のある活動のためのインターネット使用は含まれないし、他の娯楽的あるいは、社会的なインターネット使用を含めることを意図したものではない。同様に、性的なインターネットサイトは除外される。