依存性パーソナリティ障害 主体性の弱い人生

依存性パーソナリティ障害の特徴には以下のようなものがあります。

  • 警戒心があまりなく、相手の求めに応じやすい
  • 自分で自分の人生を決断し、切り開いていくのではなく、誰かが何か良い方法を教えてくれるのではないかと期待し、人生のことも人任せであるため、相手の助言に左右される
  • 主体性の乏しさと過度な周囲への気遣い
  • 相手に嫌われたり、相手との衝突を避けようとするあまり、「NO」ということができず、相手に合わせてしまう
  • 日本人に多いタイプ。優柔不断で、相手任せになりやすい
  • 自分にとって明らかに不利益なことや自分の意思に反することでも受け入れてしまい、本人が人知れず苦しむことがある
  • 良い面に目を向ければ、集団行動やチームワークに重要な協調性が高く、相手を尊重し、和を乱しにくい

相手に合わし過ぎてしまう一面は、例えば、自分も経済的に余裕がないにもかかわらず、「金を貸してほしい」と泣きつかれると、無理をしてでも工面したり、保証人になったりして、後々苦しい目に遭ったりします。

また、都合よく利用したり、搾取目的だったりする、ろくでもない相手に対しても、しがみついて貢いでしまうということがあります。

他人の支えがなければ自分は生きていけない

こうした第三者から見れば明らかに抜け出すべき関係や行動の背景には、依存性パーソナリティの「他人の支えがなければ自分は生きていけない」という強い思い込みがあります。一度依存してしまうと、その相手なしでは無理という思い込みから抜け出すのは困難です。

実際には一人で生きていける能力や経済力、魅力を持っているにも関わらず、強い意思をもった存在に頼らないと安心できません。人生の重要な決定であっても、自分で決断することができず、依存している相手に委ねてしまう始末です。

このタイプは、強い意思を持った存在に支配されやすい面がありますが、自分からそのような存在を無意識レベルで求めているために、どうしてもそういった関係になりやすいようです。

会えないと関係は崩壊しやすい

依存性パーソナリティの人は、一度依存した相手が目の前にいる限りは、たとえ暴力を振るわれようと、不当な扱いを受けようと、その相手なしではやってゆけないという強い思い込みのゆえに相手にしがみ続けようとします。周囲が何と言っても無駄である場合がほとんどです。

しかし、その反面、何かの理由で依存相手がいなくなってしまうと、あっけなく他の依存対象に移り変わってしまうことがあります。大抵の場合、1年以上離れた状態で関係を維持するのは難しいようです。このタイプは、基本的にいつも誰かにすがりつきたいため、一人でいることに耐えられないのです。

根底にあるもの

こうした依存性パーソナリティの根底にあるのは何でしょうか。その背景をたどってみると、幼い頃から自分を必要以上に抑え、重要な他者の顔色ばかりを気にしながら生きてきたというケースが多いようです。

横暴で支配的な親の気まぐれで予測のつかない行動に振り回されて育ったり、逆に過保護・過干渉で本人の主体性が奪われ続けて育った場合などが挙げられます。

幼い子供は、親に頼るしか生きる道がありません。それがたとえ横暴で支配的、気まぐれな親であっても、過保護・過干渉な親であってもです。

自分の意思よりも相手(親)の意向や顔色優先の状態が大人になるまで続き、そのような思考パターンが身に染み付いてしまうのです。結果として、相手に合わせ、相手の機嫌を損ねないように振る舞うというスタイルが完成します。