境界性パーソナリティ障害の人を助ける 「限度を設ける」

限度を設ける

境界性パーソナリティ障害の人を助けるためにどんなことが必要でしょうか。優しく、愛情を持って接すれば回復するのでしょうか。境界性パーソナリティ障害の人は底なしの愛情飢餓を抱えています。

優しさや愛情を与え続ければやがて満たされ、境界性パーソナリティ障害も回復するだろうと思っている援助者は、その底なしの愛情飢餓に飲み込まれることになります。

もちろん、優しさや愛情は必要ですが、それを一方的に与えるばかりでは回復には至りません。境界性パーソナリティ障害の人が抱える底なしの愛情飢餓は、満たそうとすればするほど深まり、際限なく愛を貪ろうとする特性があります。

限度を設ける

与えることのできる優しさや愛情には限度があります。限りなく愛情を与えるのは不可能ですし、境界性パーソナリティ障害の人のためにもなりません。

ですからここで「限度を設ける」ことが必要になってきます。ここまではできるが、これ以上はできないという一線を決めて、はっきりと告げる必要があります。

境界性パーソナリティ障害の人はいったん親しくなり始めると、急に自分をさらけ出してきます。通常人には見せないような様々な傷、恥部をあまりに早急に打ち明けてくるのです。

一度に話を聞き過ぎると境界性パーソナリティ障害の人も不安定になるうえ、話の内容がたいていインパクトの強いものであるため、聞いている人も冷静さを失いやすくなります。

「かわいそう」という同情に溺れてしまうと援助者も感情の渦に飲み込まれてしまうことになります。

あくまで控えめな反応に徹し、常識的なラインを超えそうになったなら話をそれとなく遮ることも必要になってきます。受容や共感は必要ですが、必要最小限にとどめ、黙ってうなずきながら聞いているのが効果的です。

そこで過敏に、感情豊かに反応しすぎると、境界性パーソナリティ障害の感情的な起伏を増幅させて、かえって不安定になってしまいます。聞き手はあくまで良識ある他者として接することが大切です。

境界性パーソナリティ障害の人を助けるためには、ダメなことはダメとはっきり突きつけ、きちんとした枠組み、制限を設けて守ってもらうことが重要になってきます。