愛着障害 愛する人の死に直面したとき 

Mourn

人が持っている愛着スタイルは喪の服し方にまで影響を及ぼします。愛する人がなくなった時、愛着スタイルの違いはどのように表れるのでしょうか。

安定型愛着スタイル

通常の安定した愛着スタイルを持つ人の場合、愛する人が亡くなったことに対し、正面からきちんと向き合います。

生前の故人の思い出を話し、喪失感はもちろん大きいものの、悲しみやつらさをきちんと表現します。故人に対して肯定的に思い、同時に自分自身に対しても特別な理由がない限り肯定的に受け止めます。

ですから、長期にわたって不安定になったりうつ病になったりすることなく、悲しみを受け止め、喪の期間を過ごして乗り越えてゆきます。

不安型の愛着スタイルの場合

では、不安型の愛着スタイルを持っている人はどう反応するのでしょうか。愛する人の死に際して、その悲しみに直面し、乗り越える喪の作業が長期化しやすくなります。

故人にどれほど依存していたかにもよりますが、関わりが深かった場合、その悲しみや喪失感は普通以上に大きくなります。

故人の理想化という傾向もあります。個人の長所、よかったことを多く思い起こします。亡くなる前は否定的で不満を多く持っていた対象にも一転して理想化します。

通常の生活の中で不安が多い人にとって、安らぎをもたらしてくれるような人の喪失が大きな痛手となるのは理解のできることです。

回避型愛着スタイルはどうか

回避型愛着障害の人はその「回避」という名のように、愛する人の死に向かい合うことを避けようとします。避けるというより、欠如しているという表現のほうが正確かもしれません。

回避型愛着スタイルの持ち主は誰かに強く依存することが小さく、独立・孤立しがちな生活スタイルを好むため、関わりが少ない分、その影響も弱いようです。

故人に対して、不安型スタイルの人は理想化する傾向があったのに対し、回避型スタイルを持つ人の場合、否定的になります。

否定的に位置づけることにより、その人の価値を下げて自分にとっての喪失感がより少なくなるよう、無意識レベルで思考回路が働いているのではないかと思われます。

しかし、全く知らない人ではなく、肉親や愛する人が亡くなるということは何らかの影響を及ぼすはずです。

回避型愛着障害の人は故人に対し精神的に向き合うことは回避しても、その影響は身体の不調となって出やすいようです。亡くなった直後は回避していても、何ヶ月~何年も経た後、急に悲しみが湧き出てくることもあります。

それだけ愛する人の死は強い影響を及ぼすので、回避していても何らかの形でいつかは向かい合わなければならないのかもしれません。

最も困難なケース

なかには不安型と回避型の両方の特性をもつ愛着障害の人もいます。この場合、最も難しいのはこの両方をもつ愛着スタイルの人です。

そのような人にとって家族や親しい人が亡くなるとその事実に向き合い、悲しみを表現し、受け止めて、乗り越えていく喪の作業は困難を極めます。

不安や抑うつ、悲嘆が強く表れ、亡くなった時の光景を思い出して解離症状が出現したり、心的外傷の反応が出たりします。

現実に自力で向き合うことがあまりにも厳しいためにアルコールなどに逃避してなんとか過ごすということも多くあります。