うつ病(大うつ病)の診断基準

診断基準

2013年5月に発表されたアメリカ精神医学会による精神障害の診断と統計マニュアルであるDSM-5は2015年8月現在において最新のものであり、精神疾患の診断基準として広く受け入れられています。

DSM-5におけるうつ病(大うつ病性障害)の診断はどのような基準でなされるのでしょうか。

以下に説明する9つの症状のうち、①の抑うつ気分か、②の興味の喪失のどちらかを含めた5つ以上に当てはまり、それが2週間以上続いていることが適用条件です。そして、そのために社会的な機能が果たせなくなったり、著しい苦痛を感じている場合にうつ病と診断されます。

だれでも生活の中で落ち込むことはありますし、憂うつになることもあります。ですから、よくあるような一時的な落胆ではないという意味で、症状が「2週間以上続いている」という条件が付けられています。

DSM-5におけるうつ病(大うつ病性障害)の診断基準

A.以下の症状のうち5つ以上が2週間の間に存在し、病前の機能からの変化を起こしている.これらの症状のうち少なくとも1つは①の抑うつ気分、または、②の興味および喜びの喪失である.

注意:明らかに他の医学的な疾患に起因する症状は含まない

その人自身の言葉(例:悲しみ、空虚感、または絶望を感じる)か、他者の観察(例:涙を流しているように見える)によって示される、ほとんど1日中、ほとんど毎日の抑うつ気分

注意:子どもや青年ではイライラしていて怒りっぽくなっている気分もあり得る

ほとんど1日中、ほとんど毎日の、すべて、またはほとんどすべての活動における興味または喜びの著しい減退(その人の説明、または他者の観察によって示される)

食事療法をしていないのに、体重減少、または体重増加(例:1ヶ月で体重の5%以上の変化)、またはほとんど毎日の食欲の減退または増加

注意:子どもの場合、期待される体重増加が見られないことも考慮に入れる

ほとんど毎日の不眠または仮眠

ほとんど毎日の精神運動焦燥(イライラ・あせり・むしゃくしゃすること)または制止(衝動や意欲、自発性を失うなど)。(これらは他者によって観察可能で、ただ単に落ち着きがないとか、のろくなったという主観的感覚ではないもの)

ほとんど毎日の疲労感、または気力の減退

ほとんど毎日の無価値観(自分には価値がないと思うこと)、または、過剰、不適切な罪責感(妄想的であることもある。単に自分をとがめること、または病気になったことに対する罪悪感ではない)

思考力や集中力の減退、または決断困難がほとんど毎日認められる(その人自身の説明による、または他者によって観察される)

死についての繰り返し考える(死の恐怖だけではない)、特別な計画はないが繰り返される自殺念慮、または自殺企画、または自殺するためのはっきりとした計画

B.その症状は、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている.

C.その症状は物質の生理学的作用、または他の医学的疾患によるものでない.

注意:親しい人やペットなどを亡くした喪失体験時の悲しみ時には、上記のような反応が見られることがよくあるが、正常な悲哀とうつ病とは慎重に区別すべき

D.抑うつエピソードは、統合失調感情障害、統合失調症、統合失調症様障害、妄想性障害、または他の特定および特定不能の統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群によってはうまく説明されない.

E.躁病エピソード、または軽躁病エピソードが存在したことがない