自分と他人の境界がよくわからない混同思考

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自分と他人との境界がよくわからない

最近、自分と他人との境界がよくわからないと感じている人が多いようです。自分と他人との境界のことを「自我境界」といいます。

自我境界がはっきりしていない場合、自分と他人の立場や気持ちを混同したり、事実と自分の気持ちを混同しやすくなります。そのような状態を「混同思考」と呼びます。自我境界の障害が混同思考を招くわけです。

一般的に幼い子供は人格形成が未熟なため、そのような自分と他人との境目がはっきりわからないという状態がよく観察されます。

それは幼い頃の問題であって、成長過程で人格が成熟してゆくにつれて、次第に自分自身というものをはっきりと自覚できるようになります。

ところが、成人してもそうした未成熟な人格構造が残ってしまう場合があります。

考えられる原因

原因のひとつとして考えられるのは、親が支配的だったり、逆に過保護だったりした場合です。自我境界の障害を抱えやすいのは、親子の関係において人格の境目が曖昧だったケースです。

親が支配的だったために子供が自分自身の気持ちや意見を持ち、主張する機会が奪われた結果、自分自身がどのようなものかよくわからないまま大人になってしまったのです。過保護の場合も同様です。

原因を簡潔にいうと、「主体性が奪われた結果」です。主体性という漢字は、体の主(あるじ)と書きます。本来なら、自分の体の主(ぬし)はその人自身です。親も自分の子供であるとはいえ、子供の自主性や自由意志をある程度尊重しなければならないのです。子供が大きくなるにつれ、ますます子供の自主性を尊重することが求められます。

親が自分の子供をいつまでも操り人形のように扱ったり、奴隷であるかのように接したり、自分の夢を叶えるための手段としてしまったりするならこのような問題は多くなるでしょう。

症状

自我境界ゆえの混同思考になると、自分の気持ちがよくわからない、自分と他人との境界がはっきりしない、といったこと以外にどういったことが生じるのでしょうか。

よくみられるのは、以下のようなものです。

  • 自分に関係のないことまで自分が原因だと考えてしまう「自己関連づけ」
  • 本当は自分が悪いのに、周囲のせいだと感じる「投影的責任転嫁」
  • 相手は悪意がないのに悪意があると感じてしまう「被害的認知」
  • 自分の感情的な印象で物事を結論づけてしまう「感情的論法」

こういった思考パターンが現実世界で、対人関係で大小様々な問題を引き起こすことは容易に想像できます。

認知の偏りに気づかぬまま一生を送る人もいますが、そのような人たちが感じる生きづらさは決して少なくはないはずです。

これも認知の偏りのひとつですが、もし自分自身が陥っていることに気づいたなら、人間特有の「自覚」という能力を発揮していることになります。その自覚という能力を活かしつつ、認知の偏りが過度にならぬよう修正をかけてゆくことができます。

こうした状態が完璧に治るかどうかはわかりませんが、症状や原因がわかるだけでも洞察が増し、自分なりの改善法に光が見いだせるかもしれません。