自己愛性パーソナリティ障害 ナルシスト 特徴

水面に映る自らの姿に恋するナルキッソス

水面に映る自らの姿に恋するナルキッソス

「ナルシスト」という言葉の語源は、ギリシャ語にあります。もともとギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスが水面に映る自らの姿に恋をしたというエピソードに由来しているものです。

英語における発音は、ナルシシスト (narcissist)ですが、日本においてはナルシスト (narcist) という言葉で浸透しています 。

自己愛性傾向がとても強い人、ナルシストは、控えめで、出しゃばらない人柄が重んじられた以前の日本においては少数でしたが、現在は増加し続けて多く見られるようになっています。

少子化と、甘やかされた、過保護な養育、遺伝など、生まれつきの性質と環境因子で形成されると考えられています。性別で見ると、やや男性が多い傾向にあります。

自己愛性パーソナリティとナルシストの特徴

自己愛性パーソナリティとナルシストを同じ意味で使えるかどうかはわかりませんが、どちらも同じ方角を向いている言葉であることに間違いありません。これらにはどのような特徴があるのでしょうか。以下にまとめてみました。

・自分は特別な存在

・プライドが高い

・褒められることが大好き

・現実離れした野心を抱く

・自分こそが世界基準

・自分を中心に世界はまわっている

・人間関係を損得勘定だけで捉える

・堂々としていて自信に満ちている

・華やかで魅力的な外見

・思いやりに欠け、冷たく、打算的

・心の中では孤独感を抱いていることも

・逆境や避難に弱い一面があり、物事がうまく行っていない時に崩れやすい

・他人の価値は自分にとってどれだけプラスになるかによって決められる

長所

そんな彼らにはどのような長所があるのでしょうか。

・堂々としていて、人や権威にたじろぎ、のまれてしまうことがない

・自己主張、要求がはっきりしており、きちんと伝えることができる

・野心にあふれている分、大きな仕事や責任にも動じない

・目標に向かって突き進むバイタリティがある

・自分を魅力的に見せるのが得意

・実際に人並み以上の能力や長所を持っている場合が多い

・物事がうまく行っている時に強みを発揮する

向いている職業

長所や短所を考慮して、自己愛性の人にはどのような職業が向いているのでしょうか。

・芸術家

・アーティスト

・作家

・デザイナー

・起業家

・指導者

どれも自分中心ですすめてゆける職業です。見合った能力さえあれば、自信と活力ゆえに特定の分野で開花する可能性が大です。

接し方

自己愛性の人の内には誇大した自我像があり、他人を軽蔑することにより、自分の優越感を満たします。そのため、友人であってもその心の中では軽蔑の対象になっている場合がほとんどです。そんな彼らとどのように付き合ってゆけばよいのでしょうか。

表面上の付き合いにとどめる

人間関係を損得勘定で捉えているので、都合が悪くなったり、付き合う価値がないと思うと、一方的に切り捨てられます。

基本的に自己中心的で、「自分は特別、何をしても許される」という価値観を持っています。一般常識や倫理観より、自分の都合が優先される思考構造になっています。

そのことを踏まえた上で、一定距離を保って、表面上の付き合いにすることが賢明です。プライベートな話題は避け、個人的な領域には関わらないようにしましょう。こちらが親友や幼なじみと思っていても、相手が同じように思っているとは限らないのです。

嫌なことは嫌とはっきり意思表示する

優しい人や他人の言動を悪く取らない人、断るのが苦手な人、他人に強い態度で接するのができない人は、利用対象に選ばれやすく、つけ込まれる可能性が高くなります。

断れない、拒否できないのをいいことに、何でも思い通りになると考え、無理な要求、ストーカー行為、DV、パワハラ、セクハラ、モラハラなどの被害を受けるかもしれません。

こちらがはっきりした態度を取らないと、相手の中で余計な妄想が進み、さらにエスカレートする可能性があります。

ですから、始めから嫌なことは嫌とはっきり、毅然とした態度で伝えることが重要です。相手に思い通りにはならないことを認識させましょう。いつでも隙を見せないようにすることが大切です。

敵にまわさない

この手のタイプは敵に回すとめんどうなことになります。会社の上司など、どうしても会うことが避けられない場合、敵に回さないことが長く付き合っていく上で助けになります。

個人的な付き合いを避け、嫌なことははっきりと意思表示する以外にどんな戦略を組めるでしょうか。

職業人、社会人としての面をかぶり、あくまで仕事に徹底した人間を演じることです。相手は、自分の間違いを認めようとはしません。自分の方法や考え方こそ世界基準だと決め込んでいるので、その考えを否定したり、批判するのは禁物です。

褒めて味方につける

発言するときのコツは、嫌なところには触れず、相手を賞賛する立場を取ることです。自己愛性の人は、褒められることへの欲求は子供の頃のままです。褒められることを大変喜ぶその特性に訴えかけましょう。

彼らにとって、自分を賞賛してくれる人は味方であり、損得勘定でいえば、「得」に当たる人で、良き理解者、大切な存在となり、その人の発言を以前より重んじるようになります。ですから、そのようにして安全なポジションを確保しましょう。

ただし、信用を得たように思えても、批判や否定、間違いを指摘するようなまねは慎みましょう。長く付き合わなければならない場合、バカバカしいかもしれませんが、ゴマをすり続けることが最小限のストレスで乗り切る助けになります。

相手が部下の場合であっても、上手に評価することが秘訣です。褒めて本人の気分を良くし、やる気を出させてあげましょう。自己愛性パーソナリティは、もともと能力のある人が多いため、力を発揮すれば大いにプラスになってくれます。

逆に褒めて評価してあげないと、「ダメ上司」の烙印を押され、指示を聞かない厄介な問題児へと発展しかねません。ナルシストに対しては、いつでも肯定的に接することがうまくいくカギとなります。