自己否定と完璧主義

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生きづらさを感じながらもなんとか過ごしている人が多い今日、さらに多くの人を苦しめている要因を挙げるとしたら、人間の歪んだ見方や受け止め方があります。ここでは、その中から自己否定と完璧主義に注目しています。

自己否定

自己否定は多くの人に見られる思考パターンです。これは、当人にとって多くの場合、損以外の何物でもありません。

どんなに良い特質や長所をもっていても、自分自身を否定的に見てしまいます。多くの場合、それが思い込みだということにまったく気づかず、真実だと固く信じています。

自己否定の念が強い人は、そこからさらに否定的な感情が広がります。たとえば「自分は無価値な人間で、誰からも愛されない」、「誰も自分のことなんか気にかけておらず、助けてくれない」、「自分がいても迷惑をかけるばかりだ」といったものがあります。

そのような思い込みが行動へ表れ、行動まで消極的なものになる場合が多くなります。結果として、当初の自己否定が実証されるような形となります。

自己否定が強い人は多くの場合、周囲からいつも否定的なことを聞かされることによって、そのような思考パターンが刷り込まてしまったことが考えられます。まずは、自己否定が単なる思い込みに過ぎないということに気づくことがポイントになります。

完璧主義

完璧主義も多くの日本人に広がっている不幸な思考パターンです。

完璧主義は、上記で取り上げた自己否定や自己肯定感の不足を埋め合わせるために身についた場合が多いようです。

もしくは、幼い頃から親などの養育者が無条件の愛情を注ぐのではなく、条件付きの愛情しか与えないことによって「完璧でなければ自分は愛してもらえない」という思考が身についてしまった可能性が考えられます。

私たちは皆、不完全であることを認めなければなりません。人生には順調な時期もありますが、そうでないこともよくあります。

物事が順調に、完璧にこなせている間は問題ありませんが、うまくいかないとたちまち「完璧でない自分は無価値な存在」になってしまいます。

完璧主義はしばしば「~すべき」、「~しなければならない」思考とも結びついています。自分がすべきだと思っていることをすべてそのとおりにしないと気が済まないのです。

また、完璧主義は白か黒、0か100、全か無かで物事を捉えてしまう「二分法的思考」とも深く関係しています。物事を「すべて悪い」か「すべて良い」のどちらかであると考えてしまうのです。

このような考え方は生きていくうえで不利に働く事が多く、自尊心や対人関係などにも悪影響を及ぼします。物事は完璧でないことがほとんどで、「すべて良いもの」もほとんどない代わりに、「すべて悪い」ものもほとんどありません。完璧主義はリアルな現実にそぐわないのです。

私たちは気づかないうちに自分自身の思考パターンにより自らの人生を生きづらいものとしてしまうことが多々あります。ここでは自己否定と完璧主義について考慮しましたが、これらから脱するだけでも生活の充実度がぜんぜん変わってきます。いかに自分の思考の癖に気づけるかが大切な分かれ目となります。