インターネットゲーム依存症 見分け方

ネット依存

インターネットのオンラインゲームを行う人が依存症になっているか、どんな点で見分けるのでしょうか。

一時的に熱中していても依存になっていないこともあれば、仕事などの制約ゆえに長時間プレイできなくても依存になっていることがあります。ではその見分ける要素について考えてみましょう。

没頭する

依存症になっている判断基準の大きな点として、そのことばかり考えて没頭することが挙げられます。一時的に熱中することがあるとしても、やがて飽きてしまい、やらなくなってしまうのが普通です。

しかし、依存症になると何ヶ月も何年も飽きることなく没頭します。それに伴い、他の活動への関心の低下や、人間関係、学業・仕事・家事がおろそかになってしまいます。寝る時間以外は食事さえまともに取らないということも珍しくありません。

熱中するあまり、ネットゲームの中の仮想世界と現実との区別がつかなくなることもあります。現実世界よりもゲームの中で過ごす時間が長いため、錯覚が生じ、仮想世界のほうで実際に生活しているように感じてしまうのです。

離脱症状

依存症になると離脱症状が表れるようになります。離脱症状とは、インターネットゲームをやめてから、あるいはしていないときに表れる症状で、その多くはイライラや気分の落ち込み、不安、不機嫌、家族への攻撃、意欲低下などの形をとります。

離脱症状がひどい場合、精神病のような幻聴や幻覚、激しい思い込みなどの症状が表れ、危険行為に及ぶこともあります。

大抵の場合、本人はそれが離脱症状だと気づかずに、無意識に不快な離脱症状から逃れるためにゲームを再開します。

ゲームを始めると離脱症状が治まるので、本人にはゲームが「嫌な気分を忘れさせてくれる」と感じ、一層ゲームにハマるようになります。

依存症になっていないか、ネットゲームをしていないときの気分を振り返ってみることができます。ずっとゲームをしなくても平気なら、依存症ではないでしょう。

しかし、ゲームのことが気になって安定した気分でいられず、またプレイしてしまう場合は依存症の可能性が大きいと言えます。

耐性がついてくる

プレイし始めた頃は楽しかったのに、続けていくうちに慣れてしまい、あの頃と同じほど楽しいと感じられないかもしれません。

耐性が生じると、同じだけの満足を得るためにもっと多くゲームをしなければなりません。時間だけでなく、質ももっと過激なものを求めるようになるかもしれません。

依存症になっているか見分ける点として、プレイ時間が長くなっていないか、何時間やっても満足せず、さらにやり続けようとしていないか考えてみることができます。

やめようと思ってもやめられない

オンラインゲームをしている時、やめようと思えばいつでもやめることができるでしょうか。依存症になると自分の願いに反してゲームをやめることが難しくなります。

少しだけやろうと思って始めたものの、ついつい何時間もやり続けてしまうことばかりでしょうか。

休日には一日中ゲームをしますか。自分や周囲に「いつでもやめられる」などと言い訳をしても、実際は減らすことができないかもしれません。

学校や仕事など、なんらかの強制力が働かない限りゲームをし続けてしまい、自分の意志でコントロールできなければそれは立派な依存症です。

実際に損失が生じていてもやめられない

依存症になっているかどうかは、ゲームをすることによって生じるマイナスの対し、対策を打てるかどうかでわかります。

たとえば、睡眠時間が大幅に削られて翌日の学業や仕事に悪影響が生じたなら、今日はゲームはやめておこうと、状況を積極的に変えようとするでしょうか、それとも、一日の嫌なことを忘れるためにさらにゲームにのめり込むでしょうか。

たとえ一時的に熱中したとしても、これではいけないと感じ、そこできちんとやめられるでしょうか。

すぐ前に出てきた「やめようと思ってもやめられない」は、特にマイナスの点などない場合でも自分の意思でやめられるかどうかが問われていました。

この場合は、ネットゲームをすることによってマイナスが生じているので、そのマイナスを退避するためにゲームを減らす、あるいはやめられるかどうかが問われています。

通常人間は、自分にとってマイナスをもたらす要因を繰り返さないよう避けるものです。しかし、ネット依存に陥ると、そこの認知が壊れてしまうので、回避行動がとれなくなってしまうのです。

他の活動への関心低下

ネットゲームを続けていると、以前には関心や意欲が持てたことに対してモチベーションが下がってきます。かつて大切にしていたことでさえ、どうでもよくなってくるかもしれません。

自分の中での価値観が変化し、ゲームが最優先になります。他のことには関心がありません。ゲームを長期間するほど脳がダメージを受けるので、人格が変わってしまうのです。

インターネットゲームにハマった人を「ネトゲ廃人」と呼ぶこともあるようですが、ひどいとまさに廃人のようになってしまいます。

嘘をつく

多くの人がオンラインゲームをする時間帯は夜10時頃から未明に渡ります。ゲームに集中するために家族が早く寝てくれることを願い、眠るのを待っていたりします。そのため、家族は本人のゲームプレイ時間について把握できていないかもしれません。

「何時までゲームしていたの?」と尋ねられても、正直に答えるとウケが良くなかったり、制限を加えられたりしかねないので、嘘をついて短めの時間を答えることが多くなります。

嘘をつくようになるともうそれは依存症のはじまりです。また、ゲームを続けていると、アイテム獲得やキャラクター強化のために課金したくなるものです。

ゲーム会社からすればそれこそ本来の狙いですが、依存症になると、課金するお金欲しさに親の財布からお金を盗み取ったり、クレジットカードを悪用したり、他人のアカウントを乗っ取ったりなど、犯罪まがいの行為へ走ることもあります。

ゲームのやりすぎで脳が損傷を受け、善悪の判断ややってはいけないことへのブレーキが壊れるなどの要素も影響しています。

現実逃避

依存症レベルになると、嫌な気分やストレス、何もない退屈な時間から逃れるためにネットゲームを行います。

特に生きていくために必要があるわけでもなく、特別に楽しいわけでもありませんが、しないと落ち着かないという状態です。そうなると、「ゲームなしでは無理」「ゲームさえあれば他は何もいらない」といった心境になります。

本人にすれば、何か他のことを犠牲にしているとは思いませんが、他人から「時間の無駄」と言われても「自分の時間だからどう使おうが勝手」などと憤慨し、認めようとはしません。

同じ依存症の種類の中に買い物依存症がありますが、買い物依存症になるプロセスとして、①必要だから買う、②楽しいから買う、③嫌なことを忘れるために買う(楽しい気分を味わうために買う)という流れがあります。

買い物依存症は、最終的に品物ではなく、買うこと自体が目的になってしまうのです。

ネトゲ依存も同様で、「ゲームは楽しい、スマホは楽しい」と感じる段階から「手放せない、気がつけばいつもプレイしている、気が紛れるからプレイしている」という段階へ進み、楽しむことより、プレイすること自体が目的になってしまいます。

その背後にはたいてい、何かから逃れている自分がいるはずです。ゲームをする動機そのものが変わってくるのです。

ゲームの世界を優先

最初のほうで、ネットゲームのやり過ぎにより現実世界と仮想世界の区別がつきにくくなるという点を取り上げました。オンラインゲーム依存になると、現実世界とゲームの世界が逆転してしまいます。

つまり、現実の家族や友人より、ゲームの中の付き合いを優先させてしまい、現実の人間関係は衰退します。

結果として、家族や友人、恋人・配偶者との関係はぎくしゃくし、学業や職業、家事、子育てなどがおろそかになりがちです。

こうした逆転が生じるのは、本人にとってゲームの仮想世界のほうが居心地が良いからです。現実世界では誰からも認めてもらえず、褒めてもらったり、評価してもらうことはありません。

しかし、ゲームが上手だったり、仲間と協力しあったりして肯定的な評価、戦友的な共感、賞賛などが得られると、ゲームの世界こそ自分の居場所だと感じても無理はありません。

いかがだったでしょうか。これらがオンラインゲームにおける一時的な熱中か依存状態かを見分けるしるしです。依存症になっている人の特徴として、これらの点が当てはまっても自分が依存症であることを認めようとはしません。

まずは正直に自己吟味して、自分の状態を正しく判断することが大切です。ネットゲーム依存は他の依存症と同様、本人が変わろうとしなければ改善が難しい病気です。

続けてゆけば本人の脳をはじめ、人格、人間性、人生を破壊してしまいます。失われたものは戻ってきません。依存症の人と関係する家族も大変な思いをします。

まだまだ日本においてはこの疾病の危険性認知は弱いですが、本当に恐ろしいものなのです。覚せい剤と同じようにみなされる日までに多くの犠牲者が出ないことを願うのみです。