摂食障害 性格

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摂食障害には過食症(神経性大食症)と、拒食症(神経性無食欲症)があります。過食症と拒食症になりやすい性格というものが存在するのでしょうか。

共通する点として、摂食障害には家族との関係、特に母親との関係が不安定な人に多いということがわかっています。

摂食障害が急増し始めたのは、1970~1980年代です。その頃、日本は高度経済成長期であり、都市化や核家族化が進み、それまでの家族の形が急激に変化しはじめた時代です。

女性の社会進出化もみられ、家庭内における母親の役割に大きな変化が生じました。そしてそれは今日に至るまで続いています。

高度経済成長に伴い、生活水準の向上で各家庭にテレビをはじめとするメディアが普及してゆきました。メディアを通して伝えられたメッセージのひとつは「見た目こそ重要」というもので、多くの人の価値観に影響を与えてきたようです。

拒食症に関係した性格

体重を減らすことへの異常なこだわりがある「拒食症」になる人によく見られる性格は、基本的にまじめ、勤勉で、完璧主義の持ち主といった点が挙げられます。活動的な人も多いようです。

あまり食べていないのに、活発に運動したり、勉強や仕事に対してもまじめに取り組もうとします。

情緒的な優しさに欠ける母親に育てられたケースが多いようですが、遺伝的な傾向も関係しています。

重症化することがよくあり、体重が30kg台になったり、30kg以下になったりしているのに、まだ「太っている」と思いに支配され、危険な行動(下剤の乱用や自己誘発嘔吐、絶食など)を繰り返します。

過食症に関係した性格

食べることへの度を超えた嗜癖である「過食症」に関係した性格には、依存的で、何でも人に決めてもらわないと不安になるような人、自己コントロールが苦手な人、気分の波が大きい人といった要素が挙げられます。

過去に虐待されたり、親から見捨てられたり、放っておかれたりして、慢性的な愛情不足といった要因もあります。

うつやアルコール依存、薬物依存、買い物依存、恋愛依存といった問題が同時発生していることも少なくありません。

過食症と拒食症の両方の特徴が見られることがあり、併発しているケースも存在します。まじめで完璧主義でありながらも、愛情飢餓状態で何かに必死にすがろうとします。最近若い女性に多く見られるタイプです。

治療

遺伝的な要因はあるとしても、必ず摂食障害になるわけではありません。生まれたばかりの赤子が自分の体重を気にしたり、栄養物を取りすぎたからといって自己嫌悪に陥ることはないように、摂食障害は、それまでの様々な要因が重なって発症します。

治療には薬物療法、心理療法、家族療法などが用いられます。心理療法の一種である認知行動療法では、自分が「太っている」という思い込みや、誤った肉体美へのこだわりを修正します。

対人関係療法では、体重や食べ物のことは扱わず、本人にとって重要な他者との関係の改善に焦点を当てます。家族療法でも、当人にとって重要と思われる他者である親との関係の改善に取り組むものです。

これらは重要な他者との関係が改善すれば、摂食障害の症状も薄らいでいくことを目指して行われます。医師の判断により、それぞれの療法を組み合わせて同時進行で治療が進められてゆきます。

しかしやはり、予防に勝る治療はありません。メディアや友人など、周囲の影響に過度に振り回されないよう心がけ、完璧主義や理想の容姿、体重に対するこだわりに囚われないことです。

誰であれ「ありのままの自分」を受け入れてくれる人との関係を大切にしましょう。また、できるかぎり自分自身で「あるがままの自分」を認めることにより、他の人から見た魅力も増すことでしょう。