強迫性パーソナリティ障害 診断基準

強迫性パーソナリティ

全部で10に分類されているパーソナリティ障害群、全人口の10~15%に存在すると言われています。今回はそのひとつである「強迫性パーソナリティ障害」です。強迫性パーソナリティ障害の診断基準はどのようなものでしょうか。DSM-5における強迫性パーソナリティ障害の診断基準は次のようになっています。

診断基準

強迫性パーソナリティ障害(Obsessive–Compulsive Personality Disorder)

秩序、完璧主義、精神および対人関係の統制にとらわれ、柔軟性、開放性、効率性が犠牲にされる広範な様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況によって明らかになる.

以下のうち4つ(またはそれ以上)によって示される.

①. 活動の主要点が見失われるまでに、細目、規則、一覧表、順序、構成、または予定表にとらわれる.

②. 課題の達成を妨げるような完璧主義を示す(例:自分自身の過度に厳密な基準が満たされないという理由で、1つの計画を完成させることができない).

③. 娯楽や友人関係を犠牲にしてまで仕事と生産性に過度にのめり込む(明白な経済的必要性では説明されない).

④. 道徳、倫理、または価値観についての事柄に、過度に誠実で良心的かつ融通がきかない(文化的または宗教的立場では説明されない).

⑤.感傷的な意味をもたなくなってでも、使い古した、または価値のない物を捨てることができない.

⑥. 自分のやるやり方どおりに従わなければ、他人に仕事を任せることができない、または一緒に仕事をすることができない.

⑦. 自分のためにも他人のためにもけちなお金の使い方をする.お金は将来の破局に備えて貯めこんでおくべきものと思っている.

⑧. 堅苦しさと頑固さを示す.

強迫性障害とは別物

同じ「強迫性」とつく精神疾患に、「強迫性障害」があります。これは、同じ強迫性といっても全くの別物です。ただし、1人の患者が両方を発症しているということもあります。今回取り上げている強迫性パーソナリティ障害とは、行動の仕方や考え方やこだわりが生活に支障を及ぼす程度に強い状態をいいます。

一方、強迫性障害は、特定の行為(強迫行為)や考え(強迫観念)を、理不尽を頭で分かっていてもやめられずに繰り返してしまう疾患です。強迫性障害の代表例として、手を何度も洗う、鍵の締め忘れ、ガスの元栓の締め忘れなどが気になり、必要以上に何度も確認してしまうというものがあります。

たとえば、「きちんと鍵をかけただろうか」…このような事例は普通の人でもたまに生じますが、疾病でない場合、1,2度確認すればそれで気が済みます。何度も確認するなど、不必要で無駄な行為に思えるのでしません。しかし、強迫性障害の人はそうではありません。

強迫性障害の人はたった今、確認したばかりなのに、鍵が閉まっているか、強く、継続的に感じるため、何度も何度も確認してしまいます。そのような行為が生活に支障をきたしている、かつ、本人に苦痛をもたらしているのが強迫性障害です。