一人っ子の特徴

一人っ子

長子・中間子・末っ子の特徴について取り上げてきましたが、ここでは一人っ子の特徴について注目しています。

競争相手の不在

一人っ子の最大の特徴は、親の愛情や関心の確保を脅かす競争相手がいないことです。そのことにより、親の愛情や関心をずっと独り占めすることができます。

ですから、いつも守られているという安心感があります。家族の中でいつも最優先され、欲求は順番待ちすることなく満たされます。

こうしたことにより、その基本的な性格は大らかで、ガツガツしておらず、のんびりとした長子的的なものとなります。

同時に、常に最優先され、満たされてきた環境により、親が注意していなければ、わがままで自己本位な面を持つこともあります。

大人になるにつれ、学校や職場など、集団生活の中である程度人に合わせたり、他人のことを配慮したりすることを学びます。

しかし、私的な場面、家庭内であったり、二人きりの場面などでは、持っているかもしれないわがままぶりが顔を出し、接する人を当惑させることがあります。

大人になっても残りやすい誇大自己

一人っ子の発達心理上の特徴の一つは、幼い誇大自己が大人になっても残りやすいという点です。それは次の2点に現れます。

  1. 自分がみんなの注目の中心であろうとする自己誇示性
  2. 何でも自分の思い通りになるという万能感

一人っ子に、幼いころに人が抱く「誇大自己」が残りやすい要因として、親が子どもの欲求を満たし、子どもは満たされることは学んでも、そうした欲求が常に満たされるわけではないことを教えることができなかった点が挙げられます。

兄弟姉妹がいる子どもの場合、自分が常に周囲の関心の中心にいるわけではありません。特に兄や姉がいる場合、自分は万能感どころか、劣ったものであることを早くから学ばされます。

ところが、一人っ子の場合は、上からも下からも否定的な圧力にさらされることなく、親がある意味付きっきりでサポートしてくれるわけです。

親のサポート

親のサポートには良い面とそうでない面があります。一人っ子の場合、親のかゆいところにまで届くサポートが裏目に出、自分の限界に対する認識がかなり遅れてやってくるのです。

親がたった一人の我が子に大きな期待や夢を抱くため、子どもの側もそれに答えようと、大きな野心や理想を抱きがちになります。

そうした目標は、子どもが成功する上での原動力となったり、困難を乗り越えてゆく力になったりしますから、必ずしもマイナスというわけではありません。

しかし、自分に備わっている能力が期待に添えられないものであることがわかった場合、強い挫折感や不適応や不充足感になるもろさがあります。

兄弟姉妹のいる人と違うのは、一人っ子が失敗しようが、つまづこうが、親にはその子しかおらず、他の子に期待を移すこともできないため、親から見捨てられるという事態になりにくい点です。親はその子を応援し続けるので、一人っ子は困難に強い特性を帯びやすくなります。

人間関係における不器用さ

どうしても避けがたい特徴ですが、一人っ子は幼い頃から人の中でもまれるという経験が不足するため、他者との交流においてやや不器用なところがあります。

他人に対して自己中心的な関わり方をしたり、つきあいが表面的で親密な関係になることを避けようとしたりするかもしれません。

小さい頃から兄弟や姉妹がいて、絶えず関わりを持つことが当たり前の環境で育った人と、家でもつれ合う相手がおらず、一人の世界で空想しながら遊ぶことの多かった人とでは、他人に対する感覚が違っていても無理のないことです。

自己完結な生活に慣れている一人っ子にとって、自分の世界に入り込み、脅かしかねない他人は、ある程度距離を置いて付き合うほうが安心できる存在なのです。