愛着障害の克服 親代わりとなる人に求められること

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愛着障害の人の治療のために必要なのは、幼いころに得損ねた愛情を取り戻すことです。一番良いのは、本来愛情を与えるべき人である親から得ることですが、実情はなかなかそうもいきません。

愛着障害が改善してゆく人は大抵の場合、愛情を十分に注いでくれるような親代わりとの出会いがあります。

愛着障害を克服してゆけるよう、人を助けるような親代わりの人に求められるのはどのようなことでしょうか。ここでは5つの点を考慮します。

安全感の保証

1つ目は安全感を保証するということです。愛着障害を抱える人は、十分な安心感をいだけないまま現在に至っています。

助けになる人に一番重要な条件は、一緒にいても傷つけられることがないことです。この人はだいじょうぶだと愛着障害の人に思ってもらえなければ、改善に向かって一歩たりとも進まないのです。

感受性

2つ目は感受性があることです。感受性とは何でしょうか。それは共感性とも言い換えることができます。つまり、相手の気持ちに対して敏感に応じることができるかということです。

感受性が乏しいと、相手の気持ちがわからないばかりか、無神経なことを言って相手を傷つけたりしかねません。

また、相手が助けを求めるメッセージを発しているのに、気づくことすらないかもしれません。必要なときに察して、必要な対応ができるためには感受性が不可欠なのです。

応答性

3つ目は応答性があるかどうかです。感受性とともに大切なこの応答性とは何でしょうか。それは、文字通り応じる能力です。

感受性があって、相手の発しているメッセージを感じ取っても、この応答性がなければ、すぐに助けるために行動することはできません。

いざというときに相談できる、守ってもらえるという安心感につながる大切な特質なのです。感受性も応答性も基本的には受け身です。

相手の必要が生じた時だけこちらも行動するもので、相手の主体性を尊重します。自分はあくまで脇役、助け役に徹し、主役に就こうとしない姿勢が求められます。

安定性

4つ目は安定性です。親もしくは、親代わりとなるような人は相手に対し、安定していなければなりません。気分や相手の出方によって態度をコロコロと変えてはならないです。なぜでしょうか。

愛着障害の人は、あるときは愛情を得られ、ある時は得られない…こうした態度を養育者が見せたために、愛情は無条件ではなく、条件付きで得られるものであるといつしか学んで愛着障害になってしまったのです。

なんでも話せる

5つ目は何でも話せるということです。隠し事や遠慮や本心を見せにくいようではダメです。そのためにはここで取り上げた1~4つの要素が関係しています。

安心感を保証でき、感受性と応答性があり、いつも変わらない態度で接してくれる人、こういう人に対して何でも話せるようになります。

こうした安全基地ともいえる親代わりの人との出会いは一緒に過ごすだけで癒やしをもたらします。気持ちが安らぐだけでなく、語ることによって愛着障害そのものの改善にもなります。

語ることは、それまで断片的にバラバラだったものが統合され、傷や歪みが修復されていくプロセスとなるのです。

本来ならば親にこうした役割を期待すべきですが、様々な事情ゆえにそれはかないませんでした。ですから、親代わりとなるような人に出会えることが愛着障害の改善の一歩となるのです。

あなたの周囲にいつも変わらぬ態度で安心して話せるような人がいれば、その人はあなたにとって大いに助けになってくれる人かもしれないのです。