インターネットゲーム依存症 予防のために親ができること

親子でネット利用を考えましょう

インターネット・ゲーム依存を予防するために何ができるでしょうか。ここでは特に親の立場から子供に対してできることを考えます。いくつかの対策について注目してみましょう。

与えることのメリットとデメリット

子供にたばこやギャンブル、薬物を与える親はよほどの場合でない限りいません。なぜならそれらが子供にとって危険なものであることを親が認識しているからです。しかし、インターネットに接続できるスマートフォン、ゲーム機、パソコンを与える親は数多くいます。

時代が急速に変化し、今では中学生はおろか、小学生に至っても携帯電話やスマートフォンを持っている子がたくさんおり、年々増加しています。

子供が犯罪に巻き込まれる事件が増えているため、我が子を心配する親が防犯のためにそれらの機器を持たせる場合があります。

携帯電話やスマートフォンが防犯ブザーの役割を果たし、緊急時の連絡やGPSによる位置情報を示してくれるので持たせておくと安心というわけです。実際に役立っていることも多々あります。こうした点でメリットがあることは確かです。

また、学校の友だちがみんな持っているからということで、子どもからしつこくねだられて根負けしてしまい、買い与える場合もあるでしょう。今はメディア社会なので、早くから持たせて、慣れさせたいという気持ちもあるかもしれません。

何歳から所有するのが最善か、はっきりした線引きはありませんが、与えることが悪いのではなく、使い方やその危険性を親も子も認識しないまま使用するところに落とし穴があります。

物事がうまく進んでいる時はさほど問題がないものの、子どもが何かのことでつまづいたときや、いじめられたり、孤独を味わったりしたとき、逃げ場を与えてくれるインターネット・ゲームの世界は麻薬的な本性を表わし、アルコールや薬物のように子どもを蝕み始めます。

親は「与えるのが少し早すぎたかな」、「子どもにしては高いおもちゃを与えたかな」くらいの気持ちかもしれません。

それらの通信機器を使い始めて1,2年後、子どもがどんな動画を見ているか、どんなオンラインゲームをしているか、誰とSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)でやりとりしているか、わかりません。分別をわきまえた使い方ができるよう、物を与えると同時に使い方の教育も必要です。

早くから与えることの危険性

子供は携帯電話やスマートフォン、ゲーム機が欲しいと思った場合、自分で勝手に持つことはできないため、親の許可や助けを必要とします。

親は子どもにいつからそれらの通信機器を与えるか考慮します。できる限り開始年齢を遅らせることがネット依存の予防につながります。

インターネット・ゲーム依存症は早くから慣れ親しんできた人ほど陥る確率が高くなっています。ゲームがうまくなるためにはそれなりの時間と練習が必要で、早くから始めるほど上手になり、上手にできるがゆえにますますのめり込んでゆきます。

大抵の場合、依存に陥り、生活全体が台無しになるまでには時間がかかるものです。今日初めてスマホに触れた人が明日、依存症になるケースは稀なのです。ですから、早くから始めるほど、依存症というゴールにたどり着くのが早くなります。

時間を決めて、管理するのは役立ちますが、低年齢から始めてしまうと、累積効果によりいつの間にか依存が形成されてしまうことがあり、親の管理から離れた状況になると一気に歯止めを失いやすくなります。

特に小学低学年くらいの頃に身についた依存状態は生涯続く重篤のものになりやすいので注意が必要です。

また、一度依存に陥ると、麻薬と同じように脳が萎縮してしまうことが明らかになっているので、十代の脳の発達に支障を来さないためにも使用年齢を遅らせることが重要になってきます。

必要な使用に限る

予防のためにできることの一つは、スマホやパソコンの利用を必要なことだけに限るということです。依存への第一歩は楽しみや暇つぶしのためにゲームやスマートフォンを使用することです。時間があるから、ちょっと触るというのが危険な使用方法の始まりとなります。

自分は大丈夫というのも罠です。誰もその危険性から100%大丈夫な人はおらず、依存に陥りやすい人ほど「自分は大丈夫」という考えを持っています。

あと、気をつけなければならないのは、嫌なことがあったときに、それを忘れるための逃避の手段として使うことです。これは、強い癖になりやすいので特に注意が必要です。

インターネット・ゲームにハマりやすい人は、スケジュール管理が苦手な人が多いので、その日、なすべきことに優先順位をつけ、大切なことから一つずつ片付けてゆくのは役立つアイデアです。

親は子どもがパソコンやスマホで有害なサイトや動画を見ないよう、ペアレンタル・コントロールの設定をしたり、時間に制限をつける時間管理ソフトを使用することができます。そうすると、子どもが見境なくインターネットをするのに歯止めをかけることができます。

自分をコントロールする術を学ぶ

自分をコントロールする能力が高いほど、良くない習慣に「NO」が言えるようになります。逆にコントロールする能力が低いと、なんとなく良くないと分かっていてもずるずると続けてしまいます。自己コントロールを高めるために何ができるでしょうか。

目先の欲望をコントロールする習慣をつけるのは良いことです。長期的に見て自分にとってメリットがあること、デメリットになることは何かを考え、メリットがあることは嫌なことでも積極的に行ない、デメリットになることはしないように制御していくことです。

できたときには自分自身を「よくできた」と褒めることです。子供に対してそのような訓練を行なう場合でもよく褒めて評価することは大切です。そのような積み重ねにより、短期的にはつらいことでも、長期的に見た時に大きなメリットが生まれることを学べます。

そのようにして身についた勤勉さは一生の宝物です。それは、インターネット・ゲーム依存症だけでなく、たばこやギャンブルといったあらゆる依存症から守ってくれる助けになるのです。

良い家族関係を作る

親が共働きで忙しく、子供と話したり一緒に時間を過ごしたりできない埋め合わせとして、ゲーム機やスマホを与えてしまうケースもあります。テレビに子守りをさせたのと同様、ゲーム機やスマホに子守りをさせるのです。

危険性はあまり認知されていませんが、ゲーム機やスマホに子守りをさせることは、子どもが依存に陥るのを助けていることになります。やはり大切なのは家族が居心地の良い、安心できる場所であることです。

親子関係が不安定で、家族仲が悪い場合、家庭内に居場所がないだけでなく、家庭外での人間関係も問題を抱えやすくなり、ネットの世界にしか逃げ場を見出せなくなります。

子どもたちがインターネット・ゲームにハマるのは、多く場合、愛情や関わりを求める気持ちの裏返しです。スマホに熱中する子供を叱るときには、子どもだけの問題とみなさず、親の側の問題も何か隠れていないか自問してみることが必要です。