愛着障害「過去への執着」・「思い込みによる過剰反応」

past

過去への執着

愛着障害は幼少期の愛着形成が不十分な結果生じているものです。言ってみれば、ずっと昔の傷の影響が現在まで続いています。過去の傷を引きずってしまう型ができているのです。

そのような型をもっているため、何かのことで傷ついてしまうと、忘れて次にいくのに苦労する傾向があります。

安定した愛着スタイルを持っている人であっても傷つく経験はありますが、比較的短期間でその傷を乗り越え、次へ進んでいくことができます。

そのような人たちは、「傷を受けてしまった事実はもう変えられないので、変えられない事実は受け止め、変えられることへ目を向ける」という見方ができるのです。

愛着障害の人の場合、傷つけられたことに長くとらわれてしまい、そのことで心を乱して何年も考え続けることがあるのです。「起きてしまったことはしょうがない」「忘れて水に流す」といったことがなかなかできません。

結果として、受けた傷そのものよりも、傷を忘れることなく引きずることのほうが本人を苦しめてしまうことになるのです。

思い込みによる過剰反応

愛着障害の人は、受けるべき愛情を受ける、十分に認められるという経験を必要な時期に満足ゆくまですることができませんでした。

なぜ愛してくれないのか、どうしたら認めてもらえるのか…そういったことを今となっては忘れてしまった遠い記憶の中で、幼いころの自分は奮闘したかもしれません。

受けた愛着の傷は本人を「思い込みが激しい、過剰な反応をしやすい人間」へと成長させる場合があります。そのため愛着障害の人は、相手の動機を思い込みで解釈して傷つく経験を多くします。

なかなか過去の傷が忘れられないため、自分の記憶の中の存在に目の前に人物を重ねてしまい、事実の把握の混乱がでることもあります。

それは、目の前の相手をありのまま受け入れることのできない混乱の結果、短絡的に自分に対する迫害者とみなして攻撃に転じたり、理想化して尊敬するという両極端の過剰反応となって現れることがあります。

目の前の人物が自分の記憶の中の人物と重なってしまい、まるで記憶の中の人と接しているようかのように接する…

過去の傷は、無意識レベルで現在の当人の見方や考え方に強い影響を及ぼすことがあるということをこれらは教えてくれています。