統合失調症 家族の接し方で変わる再発率

家族の協力は大切

統合失調症の人にとって、家族からどのように接せられるかは回復率を大きく左右する問題です。その効果は薬物療法にも匹敵すると言われています。

極端な話、いくら医師から処方された薬を飲んだところで、家族の接し方がよくないと、せっかくの薬の効果が相殺されてしまいます。家族の接し方が良いと薬の量は少量で済むということもいえます。

では家族はどのような接し方を心掛ければよいのでしょうか。

批判や敵意を避ける

ロンドンで行われた研究によりますと、統合失調症患者の家族の感情表現タイプはその強さによって「高EE家族」と「低EE家族」に分けることができるということです。

せっかく退院しても高EE家族とともに暮らした患者は、9ヶ月以内に再発した割合が50%を超えました。一方、退院後、低EE家族と暮らした患者は、同期間の再発率が13%にとどまったのです。

患者が規則正しく処方された薬を飲んでいたにもかかわらず、高EE家族の再発率は低EE家族のおよそ4倍という結果が出ているのです。

高EE家族というのはだいたい次のような基準となっています。

①批判的言動が多い

②本人に対する敵意が見られる

③過保護や本人の主体性を無視した過度の献身的な世話、強すぎる思い入れなど、バランスの悪さが目立っている

このうち、最悪なものは②の「敵意が見られる」ことです。家族の中でたとえ一人でも敵意を示す人がいれば、その家族は高EE家族とみなされます。低EE家族というのは上記のような要素が見られない接し方をする家族をいいます。

本人の立場になってみる

家族からすれば、自分たちがよかれと思う言動をとっているかもしれません。しかし、それが患者本人にどのような影響を与えているかの視点が欠落していることはよくあることです。

患者本人を思う気持ちの強さが過干渉を生み、かえって自主性や主体性を損ない、害になることがあるのです。

当然のことですが、口うるさく一方的に説教したり、本人の心にずけずけと土足で踏み込むような真似は、本人のストレスを不必要に高めてしまい、「家庭は安心できる場ではない」と危機感を募らせてしまいます。

ですから、否定的な言い方は極力しないよう家族は辛抱強さや忍耐を示し、心の中でさえ患者本人のことを邪魔者扱い、厄介者扱いしないよう注意が必要です。心の中で思っていると遅かれ早かれそれは患者本人に伝わるからです。

このように家族の接し方がマイナスのものであれば、せっかく回復に向かっていた統合失調症が再発してしまう可能性が増してしまいます。健康な人でもそうですが、家庭が居心地の良いところとなるためには、敵意や批判、過保護などが入り込まないように注意が必要なのです。