自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群) 原因 

原因の一つ 風疹ウイルス

原因の一つ 風疹ウイルス

ここでは自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)の発症原因について、特に環境的な要素に注目しています。どんな要素が関係していると考えられているのでしょうか。

男性ホルモン

自閉症スペクトラムは男児に頻度が高いことがわかっています。ですから、男性ホルモンが関係しているのではないかと考えられています。

オランダの研究者の発表によりますと、自閉症男性では思春期を早く迎える傾向があるとのことです。その後に行われたイギリスの研究者の発表によりますと、アスペルガー症候群の女性では初潮が平均より遅くなる傾向があるとのことです。

また、アスペルガー症候群の女性では、月経周期の乱れや遅れ、多毛などの症状を伴う多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)という病気にかかりやすいということがわかっています。この病気は、体内の男性ホルモンレベルが高いことによって引き起こされます。

ウイルス感染

妊娠中に風疹ウイルスやヘルペス・ウイルスに感染すると、自閉症児が生まれるケースがあることが報告されています。

風疹ウイルスに感染した場合、その危険性は10%にもなると言われています。ヘルペス・ウイルスの場合の発症はごく稀とのことです。

ワクチン

1998年、イギリスの消化器内科医師アンドリュー・ウェークフィールドは、三種混合ワクチン(MMR)を受けた子供の中に、自閉症を発症するケースがあることを発見しました。

その後の研究により、MMRワクチンの接種によって自閉症スペクトラムが増加したという事実は認められず、要因としての関与は極めて小さいものと考えられています。ごく稀にそうしたケースが生じる可能性があるかもしれないとのことです。

周産期合併症

自閉症では妊娠中毒症や周産期合併症などを伴い、仮死分娩で生まれるケースが多く見られます。

これは自閉スペクトラムだけに限らず、知的障害や学習障害など、あらゆる障害の原因となり得るもので、特に自閉症だけに限られた原因とは言えません。

どちらかというと、お産に伴う合併症が原因で自閉スペクトラム症が引き起こされるというより、もともと自閉症の子供の場合、産科的な合併症が生じやすいのではないかと考えられるようになっています。

重金属

自閉症スペクトラム児では、毛髪などに含まれる鉛の含有症が多く、それらの重金属が発症に影響を与えているのではないかとみられています。

ネグレクトや虐待

アスペルガーなどの自閉症スペクトラム障害の原因として、遺伝的・生物学的な要因が関わっていることがわかっていますが、心理社会的な要因も関係しているのではないかと考えられています。

心理社会的な要因とは、たとえば、十分な関心や世話、適切な社会的刺激を与えられたかどうかなどです。

実際に虐待やネグレクトなどを受けた児童に自閉症スペクトラム障害が高確率で見出されています。

また、アスペルガー症候群を持つ人が家庭内で強いストレスを感じていたり、親との離別体験があると、行為障害や情緒的問題を示す割合が増加することもわかっています。環境的な要因によって症状が悪化したり、複雑化してしまうのです。

親が性格上、共感性に乏しく、温かい愛情を子どもに注がないタイプであれば、遺伝的要素は環境的影響によって更に強められることになります。

人間には愛情と関心が不可欠であり、どんな子どもであっても、人と滅多に顔を合わさず、表情のないロボットや画面に囲まれて育てば、皆なんらかの障害を抱えるようになるのです。