シゾイドパーソナリティ障害(スキゾイドパーソナリティ障害) 

大自然の中での生活

10種類あるパーソナリティ障害のうちのひとつ、シゾイドパーソナリティ障害(スキゾイドパーソナリティ障害)(統合失調質パーソナリティ障害)(英語: Schizoid personality disorder)とはいったいどのような障害でしょうか。

まずはアメリカ精神医学会による精神疾患の診断・統計マニュアルDSM-5におけるシゾイドパーソナリティ障害の診断基準を取り上げます。

シゾイドパーソナリティ障害の診断基準

A. 社会的関係からの離脱、対人関係場面での情動表現の範囲の限定などの広範な様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。

以下のうち4つ(またはそれ以上)によって示される。

①家族の一員であることを含めて、親密な関係をもちたいとは思わない、またはそれを楽しいと感じない

②ほとんどいつも孤立した行動を選択する

③他人と性体験をもつことに対する興味が、もしあったとしても、少ししかない

④喜びを感じられるような活動が、もしあったとしても、少ししかない

⑤第一度親族以外には、親しい友人または信頼できる友人がいない

⑥他人の賞賛や批判に対して無関心に見える

⑦情動的冷淡さ、離脱、または平板な感情状態をしめす

B. 統合失調症、「双極性障害または抑うつ障害、精神病性の特徴を伴う」、他の精神病性障害、または自閉スペクトラム症の経過中にのみ起こるものではなく、他の医学的疾患の生理学的作用によるものでもない。

孤独を愛する

上記の診断基準にもあるように、このシゾイドパーソナリティ障害の最大の特徴は、他人との関わりを求めない点にあります。

回避性パーソナリティ障害や自己愛性パーソナリティ障害も、傷つくことを恐れて他人との接触を避ける面がありますが、本当のところは人との接触を求めています。

しかし、このシゾイドパーソナリティ障害の場合は、一人が好きで根本的に他人を求めないところが違います。

シゾイドパーソナリティ障害の人にとっては異性でさえ興味の対象ではありません。ですから、結婚からは遠い人たちで、配偶者とともに生活していくことより、自分の世界を大切にしたいようです。

そのような彼らですから、友人もほとんどいないか、いてもごくわずかです。基本的に孤独を愛する人なのです。

質素で欲がない

シゾイドパーソナリティ障害の人の淡白さは対人関係だけにとどまらず、その生活スタイルや世間との関わり方にも及びます。

彼らは静かで質素な生活を好みます。贅沢をすることや、きらびやかに飾ることを嫌い、食事やファッション、住まいや車にお金をかけるということにあまり関心がありません。

彼らは物質的なものより、精神的なもの、内面的なものに価値を見出します。ですから、感性や趣味は洗練されていることがあります。

物質欲、金銭欲、出世欲、名誉欲といった多くの人がもつ欲望を持っておらず、どちらかというと、それらから遠ざかりたいと思います。

この欲にまみれた、ドロドロした社会から離れて、大自然の中での自給自足の生活に憧れている人もシゾイドパーソナリティ障害の人の中には多く、それを実行に移してしまう人もいます。

欲のなさは性欲にまで表れ、男女の肉体的な関係に違和感や嫌悪感すら覚えることがあります。彼らがもし異性を求めるなら、性欲を伴わない純粋な、精神的なつながりを求めようとします。

目立たず、無害

欲の少なさに比例してか、感情表現や表情も淡白なところがあります。鈍感なのかといえば、事実は正反対です。シゾイドパーソナリティ障害の人はわずかな感情の動きにも敏感なゆえに、強い感情がただ不快なだけなのです。

彼らは人を求めませんが、とても平和主義者で、悪口や噂話なども言わず、いたって無害な人たちです。喜怒哀楽が少ないので、気分のムラも少なく、年中同じようなレベルで、黙々、淡々と生活してゆきます。

そんな彼らは口数も少なく、とても目立たない存在です。人を求めないという点で障害なのかもしれませんが、特に他人への害もなく、境界性、反社会性、妄想性パーソナリティ障害などと比べるととても健全に見える人たちです。