愛着障害「親との関係が不安定」

不安定

人が愛着障害かどうかを見分ける一つの方法はその人と親との関係です。友人や同僚、恋人や配偶者と良好な人間関係を保っているように見える人でも、親との関係に問題がある場合、そこには愛着障害が潜んでいる可能性があります。

潜んでいるその愛着障害は本人に強いストレスなどの形で圧力がかかったときに現れるかもしれません。

どのように親との関係をみる?

では、愛着障害を考えるときに、本人と親との関係をどのような視点でみることができるのでしょうか。ひとつは本人に親に対する敵意や恨みといった不快な感情があるかどうかです。そういった仲の悪さが指標になります。

もうひとつ重要なのは、度を超えた従順さやいわゆる「良い子」として親に接する形があるかどうかです。この2つが混合している場合もあります。

関係がうまくいっているときには親に気に入られようとして「良い子」を演じますが、うまくいかなくなると親に対する否定的な感情が噴き出し、急激に関係悪化に陥ります。

このように親との関係でバランスの欠けた不安定さが特徴になります。親に対してずっと抱く不快な思いが、親に対する何らかの攻撃という形で表明されることもありますが、親から認められない自分を攻撃したり否定したりすることもあります。

人間の成長には食べ物や飲み物以外に愛情が必要

どうして親との関係をみるのでしょうか。それは、その人が子供の頃に親との関係をどのように築いたか考慮する助けになるからです。

人の考え方や見方はごく幼いころから形成され、それが大人になってからもずっと続く場合が多いです。

幼い子供は親の世話なしで生きてゆくことはできません。親の世話といっても、食べ物や飲み物だけ与えていれば、問題なく育ってゆくでしょうか。いいえ。愛情が不可欠です。

認められ、愛し、愛される経験をしなければなりません。そのような経験を通して子供は自分に自信を持ったり、人を信頼したりすることを学びます。

満たされない思いはずっと引きずる場合がある

必要な期間、十分に愛情を注がれ、よく認めてくれた環境の中で育った子供は健全な大人へ成長します。

このような親に認められたいという気持ちは、ある程度満たされれば、その人が大人になっていくうちに自然消滅するものです。

しかし、子供の頃、その思いが十分に満たされなかった場合、大人になっても親に認めてもらいたいという気持ちをずっと抱き続けることがあります。

それは、大人になってからも親に気に入られようとしたり、自分を認めてくれない親に反発したりする態度に現れます。

親を困らせることが、親の注意を引きたい、親にかまってもらいたいという気持ちの現れであることもあります。

このように、その人が親とどのような関係を築いているかを観察することは、その人が愛着障害を抱えているかを知るひとつの助けになります。