4種類のストレスと3つのストレスダメージ段階

私たちは様々なストレスを受けている

ハンガリー系の生理学者ハンス・セリエは、ストレスに関する研究を行ないました。私たちにストレスを感じさせる要因は「ストレッサー」と呼ばれますが、このストレッサーは大きく4種類に分類することができます。

4種類のストレス

考えだされた4種類のストレスとは以下のようなものです。

①暑さ、寒さ、湿度、騒音などの環境的なストレス

②病気、炎症、食中毒、感染症、カビといった微生物やウィルスなどの生物的なストレス

③たばこ、添加物、保存料、酵素、薬物、化学物質などの化学的なストレス

④人間関係の悩み、貧困、怒りや不安や孤独感などの精神的なストレス

私たちが普段の会話で用いる意味でのストレスは多くの場合、④の「精神的なストレス」を指しているものです。嫌なことやつらいことがストレスになるというニュアンスです。しかし、上記の分類をみる限り、人間は自分で意識しているよりも多くのストレスを感じるようです。

興味深いのは、①~④のどのストレスであっても、共通する反応を引き起こすという点です。つまり、発熱、食欲不振、体重減少、便秘下痢といったような身体の不調です。

ストレスダメージを示す3つの段階

ハンス・セリエは、ストレスからもたらされる人間の反応を3つの段階に分けました。一番軽いものから順に、警告反応期、抵抗期、疲憊(ひはい)期と呼ばれています。

警告反応期

最も初期の軽い反応は、警告反応期です。この警告反応期は、その中でも2つに分けられています。それは、「ショック相」と「反ショック相」というものです。

ショック相は、ストレス原因に対してとまどい、うまく対応しかねている状態で、生体機能は一時停止し、体温、血圧、血糖は低下し、免疫力は弱まります。最初のショックを受けた状態です。ショック相は、数分〜1日程度持続するといわれています。

受けたダメージがそれほど大きくない場合、反ショック相という状態に入ります。これは、ストレスを乗り越えようとするプロセスで、低下していた生体機能は急速に回復し、抵抗力を取り戻します。最初のショックを乗り越えた状態です。

抵抗期

抵抗期は、継続的に受けているストレスに対する抵抗力が完成した状態です。免疫がついたのでなんとかストレスに対処することができます。

ただし、抵抗力を強めることによってどうにか防戦している状態ですから、見かけほど余裕があるわけではありません。新たに別のストレスがかかると耐え切れなくなり、次の段階、末期の「疲憊期」に突入することになります。

抵抗期にはわかりやすい特徴を伴うことがあります。それは、嗜癖的な行動だったり、強迫的反復行動といったものです。具体的には、アルコール依存や、薬物乱用、ギャンブル、ゲーム依存、性行為、買い物依存、ネット依存などです。

これらは、脳内の快楽物質ホルモンの放出により苦痛を和らげたり、気持ちを紛らわせたり、鎮めたりする状態をもたらすため、ストレスに対する防衛反応として働きます。

ストレスに抵抗する上でプラス効果も期待できる反面、薬物乱用やギャンブル依存のように生活の質を低下させ、さらなるストレスをもたらす悪影響もありますから、内容によっては要注意です。

疲憊(ひはい)期

人間が耐えられる以上のストレスにさらされると、この末期の疲憊期に陥ります。これは、抵抗力の限界を超えてしまい、潰れ始めた段階です。

身体機能は低下し、適応障害やうつ病などの様々な精神疾患を引き起こします。また、近年問題になっている過労死や自殺などの悲劇的な結末の迎えるのもこの疲憊期の恐ろしいところです。

この段階に至ると、普通の生活を送ることが困難になりますから、疲憊期だけはなんとか回避したいものです。