「あの人苦手」から「生理的に無理」状態へ

好き嫌い

私たちは誰でも苦手とする何らかの要素を持っています。嫌いな食べ物からはじまり、どうしても好きになれない人や仕事といった多岐に渡る分野があります。

苦手要素は私たちのストレス原因となります。人間にはある程度の適応力や耐性が備わっていますが、それにも限度というものがあります。

ストレスの場合、一定の限度を超えてしまうと、ストレスに慣れるどころか、ますます過敏に反応するようになります。この点、アレルギー反応とよく似ているかもしれません。

アレルギー反応との類似点

アレルギー反応というのは、人間の身体に備わっている免疫が体外から侵入してくる花粉のような、本来なら敵ではないものを敵であると勘違いして攻撃する自己免疫の異常が生じている状態です。

生まれつき、もしくは、幼い頃から特定のアレルギーを持つ人もいますが、成長する中で突然アレルギーになる人もいます。それまで何ともなかった物質に対して限度を超えた途端にアレルギーが発症するしくみになっています。

一度アレルギー反応が生じてしまうと、慣れるどころか、もうアレルギー原因を受け付けることは難しくなります。限界を超えたストレスもこれと同じように捉えることができます。

たとえるなら、ある特定の苦手な人がいたとして、その人から受けるストレスが高じた結果、限度を超えたような状態になり、「あの人苦手」から「生理的に無理」になるというようなイメージです。

2つの対策

アレルギー治療の場合、2つの対策が考えられます。1つは、アレルギー源となっている原因を徹底的に避けることです。原因を回避することにより、反応を生じなくすることができます。

2つ目は、アレルギー源に対する耐性を高めてゆく方法です。これは、アレルギーを引き起こす原因物質をわざと少量から取り入れて、徐々に慣れてゆくというものです。これは一般的に「脱感作療法」と呼ばれています。

ストレスへの対処もこれらの方法をとることができます。つまり、ストレス原因を可能な限り避けるか、少量から少しずつ慣れるていくかという方法です。

すでにストレスが高じてアレルギー反応のようなうつ病や適応障害などの疾患を発症している場合、2つ目のストレスに慣れるという方法には無理があります。しばらくはストレス原因に接触しないで心身を休養させ、回復をはかるほうが優先されます。

よって、当面は1つ目の「ストレス原因を徹底的に避ける」という選択肢になるでしょう。

ストレス原因が特定の苦手な人にあって、「あの人生理的に無理」状態なら、連絡を取らないようにしたり、職場や学校などでの接触を避けたりといった方法が選択されることになるでしょう。

少しくらいならなんとか対処できそうな場合なら、「徐々に慣れる」という方法をとります。

回避型の現代

時代の流れをみてみますと、興味深いことに、今までは無理をしてでも自分を合わせた結果、ついには潰れてしまうケースが多かったようです。

しかし近年の傾向として、見切りをつけるのが早すぎるという場合が多いようです。この方法だと、ダメージを受けすぎて病状が深刻化することを避けることができます。しかし、困難や試練を乗り越える力や辛抱強さが身につかないという難点もあります。

本来ならいろいろなことに対して打たれ強い性格なら良いのでしょうが、なかなかそうもいかないのが現状です。

誰にでも現時点でストレスになっているような状況がありますから、自分の場合にはどのような対策がとれるのか、考えてみるのもよいことです。