ADHDの症状 感情の不安定性と低いストレス耐性

感情がゆれやすい

感情の不安定性

ADHDの大きな特徴の一つに気分や感情のコントロールがうまくできず、極めて不安定なことが挙げられます。

ADHDのタイプがジャイアン型(多動・衝動型優勢型)の場合、自分の思い通りにならないと、ほんのささいな事でもすぐに不機嫌になり、怒りの感情を爆発させてしまいます。このため周囲からは「キレやすい短気な性格の人」と思われがちです。

注目できる点として、キレたとき、彼らは一種の解離状態に陥り、(解離状態…思考や感情などの精神機能の一部が自己から切り離され、自分の一部ではなくなるような状態)後になって聞いても、キレたことを覚えていないことが少なくありません。

これに対して、ADHDのタイプがのび太型(不注意優勢型)の場合、やはりささいな事で不機嫌になるのですが、逆に気持ちが落ち込んでメソメソしてしまいます。

ADHDのタイプが混合型の場合、キレたと思ったら、メソメソ落ち込むケースとなります。PTSD(心的外傷後ストレス障害)とよく似ていますが、ADHDの人たちも過去にあった嫌な体験がささいなことでフラッシュバックし、不機嫌になったりメソメソしたりすることが多々あります。

この場合、周囲の人にはその不機嫌の原因が何なのかわかりません。このため、周囲からは「気分屋」、「情緒不安定」、「未熟な人」などとみなされることが多く、配偶者や友人たちは彼らのことを「大きくなった子ども」と考えることがあります。

低いストレス耐性

ADHDの人は、一般にストレスに対する耐性が極めて低いため、人一倍心配性で強い不安感を抱きやすいのが特徴です。特にADHDの人には次のような不安が顕著に見られます。

(1)病気のことを心配しやすい「心気不安」

(2)何でも完璧にこなさないと気が済まない「完全癖不安」

(3)人間関係に対する必要以上の不安や緊張「対人不安」

(4)親、友人、恋人など、近しい人に依存しやすく自立できない「分離不安」

最近では、これに加え、自分の顔や口臭、体臭などを過度に気にする「醜形(しゅうけい)恐怖」「自己臭恐怖」に陥る人も増加中です。ストレス耐性の低さを背景にあると、強い不安感をいつも抱き、それは感情の不安定さを招きます。

ちょっとしたことでメソメソしたり、怒りを爆発させたりします。しかし、ADHDの人は怒りを爆発させても長続きしないのが特徴的です。すぐに平静な状態に戻り、うそのようにケロッとしています。

本人に尋ねみると、一種の解離状態が生じたようで、怒りを爆発させたことすら覚えていない場合が少なくないのです。執念深くないのは助かりますが、やはり感情の波がジェットコースターのような人といつも一緒にいると疲れるものです。

本人は忘れていても相手は傷つく場合もあり、友人を失ったり、家庭が崩壊したりと人間関係面で大変なことが多いものです。