インターネットゲーム依存症 脳は「快・喜・楽・幸・満」などの行為を繰り返そうとする

脳は楽しいことを求める

インターネットゲーム依存症 麻薬と同じ」のページでも述べましたが、ゲームを50分間したときに脳で放出されるドーパミンの量は覚せい剤使用時のドーパミン放出量に匹敵します。

オンラインゲームをしていると、「脳が楽しい」と感じるわけです。そしてその時は嫌なことも忘れていられます。

脳はある行為が快楽・喜び、幸福、充実、満足などの報酬に結びつくことを学習すると、その行動を意識的、無意識的に繰り返そうとします。

人間は基本的に嫌なことは避け、楽しいことや喜びをもたらす方向へ進みたいという欲求があります。脳の働きはこうした欲求と密接に結びついています。

ネットゲームが楽しかったからまたプレイしようと繰り返していくうち、知らない間に依存へ陥っていきます。

メールやSNSのチェックも同じしくみ

こうした脳の働きはメールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などの使用にも見られます。メールやTwitterやInstagram(インスタグラム)やline、ブログのコメント欄などを必要以上にチェックしてしまう人は多くいます。

また、特に目的もなく、ネットサーフィンをしたり、youtubeなどで動画を閲覧したりする人も大勢います。一見、何のことはないように見えるこれら単純な行為も、実は以前、それらから脳が美味な味をしめた経験をしています。

メールやSNS、コメントなどでうれしい人から来たり、励みになるコメントをもらったといった経験をすると、その喜びを脳が覚えます。そして、また同じような良いことがないかと確認したくなるのです。

動画やネットサーフィンにしても同じで、以前味わった楽しさや刺激が再び得られはしまいかと、同じような経路をたどろうとします。最初のうちはいいかもしれませんが、何度も何度も繰り返すと、それは知らない間に依存になってゆきます。

やがて耐性が生じてくるので、同じような快楽や満足を得るためにもっと長い時間、もっと強い刺激を求めてさまようわけです。

ギャンブル依存症も同じ

ギャンブル依存症と脳の快楽追求にはどのような関係があるでしょうか。ギャンブル依存症になっている人は、たいてい過去に大きく勝った経験をしています。

初めてやったのに大当たりで、それがきっかけとなってのめり込むようになった人もいるでしょう。パチンコ依存の人は平均で年間150万円負けると言われています。競馬なら、回収率はだいたい75%で、トータルすると損をするしくみになっています。

ギャンブル業界全体に言えることですが、プレーヤーはほとんどが負けるしくみになっています。お客さんが勝ってばかりいては商売が成り立ちません。ほとんどの人がトータルすると負けるとわかっているのに、なぜやめられないのでしょうか。

やはり、勝ったときの快感が忘れられないからというのがひとつの理由です。あの感動をもう一度、というわけです。では、それだけが理由なのでしょうか。

ギャンブル依存症の人の脳の活動を調査すると、勝負に負けてお金を失っている時でさえ、脳の中のドーパミンの放出が増加しました。繰り返しますが、負けていたのにです。

つまり、彼らからすれば、もう勝ち負けを超えてギャンブルをやっていること自体が幸せなのです。その段階までくると、勝とうが負けようが変動する勝率にワクワクする興奮そのものが刺激であり、快感になっているわけです。

ですから、負け続けて借金が増えている現状があっても、目の前の興奮を得ることの方を優先させてしまいます。残念ながら、すでに正しい判断ができない状態になっているのです。

ネットゲーム依存でも同じことが生じている

ネットゲームもこれらと同様です。前述のとおり、ゲームをしているときは脳の中でドーパミン放出量が増加し、楽しく感じます。その目先の興奮や楽しさのために、ずるずると続けてしまいます。

もしゲームをやめないと留年の危機、失業や家庭の崩壊といった大変なことになると、うすうすわかっていても続けてしまいます。

脳が快楽や興奮を繰り返し求めようとし、その行為を何度も行ってゆくうちに、もう他のことなどどうでもよくなってくるのです。

やめないといけないとわかっているのに、またプレイしたくなるのにはこのような脳のしくみも関わっています。バランスをとりつつ、他の事柄に支障が出ない程度なら問題ないかもしれません。

しかしどこかでブレーキをかけないと、ネットゲームでリアル人生崩壊という悲劇的な結果を招いてしまうのです。