回避性愛着障害 現状維持

現状維持

回避性愛着障害の特性の一つは、現状維持をしたがる傾向が強いことです。

興味のあること以外に、自分の時間やエネルギーを使うのを嫌がり、極力避けようとします。

自分の興味のない事柄でも、長期的に見た時に、人間関係の広がりや自分自身の経験を増やせるなどのメリットがある場合、そのメリットのために「投資」という意味で時間やお金やエネルギーを費やすものです。

回避型の場合、そのような投資によるリスクを負うことは初めから避けます。当然、得られるかもしれないメリットを手にすることはありません。

利益がありませんが、リスクもない、この現状維持こそが彼らの哲学の一つです。

また、回避型愛着スタイルの人が持つ、何事にもどこか冷めている、無気力な傾向も、現状維持に拍車をかけています。無気力ということは活気やエネルギーが乏しいということです。

現状維持の反対は何かといえば、それは「変化」です。現状を変化させるためには、大きなエネルギーが必要になります。

しかし、回避型の人は、もともと無気力で活力に乏しいため、変化に必要なエネルギーが湧いてきません。ですから、現状に多少の問題があっても、それを進んで変えようとはしないのです。変化のために活力を使うくらいなら、現状に耐えたほうがよいと考えます。

知らない世界を探索しない

回避型愛着スタイルの人のエネルギーが乏しい要因のひとつに、幼い頃から、親との良い関係をもたず、安心して詮索行動を取ってこなかったことが関係しています。

その行動スタイルは大人になってからも維持されているため、自分の知らない世界を探ろうとはしません。

安心できる場所でだけ過ごすので、外界からの新しい刺激が入ってくることが少なく、エネルギーは乏しいままです。

心のエネルギーというものは、実際の物理的なエネルギーとは違い、使っただけ減るものではないようです。程よく使うことによって、さらに生み出される側面をもっています。

ですから、エネルギーを使わずに温存しておくことは、エネルギーの枯渇状態へとつながり、ますます変化に向かう力が少なくなることを意味します。

現状維持も可

変化のために必要なエネルギーが乏しい回避型愛着スタイルですが、特に生活上の問題がなく、本人が不自由していない場合、現状維持も「可」です。

変化に伴う新しい世界や価値観、人との出会いはないかもしれませんが、それで、回避性愛着スタイルを持つ人が良いと感じているなら、それでよいのです。

上手に自分の特性と付き合ってゆくためには、まずそれがどのようなものか理解しなければなりません。そして、それらを吟味し、受け入れられるものであればそのままでよしとし、問題があるものは改善してゆくことができます。

人間は十人十色なので、常に変化を求める人がいても、現状維持を好む人がいても良いのです。