恐れ・回避型愛着障害 境界性パーソナリティ障害に似ている

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不安型愛着スタイルと回避型愛着スタイルの両者が混合して存在することがあります。これは、恐れ・回避型とよばれるタイプです。

他人の反応に敏感で見捨てられ感が強い不安型と、対人関係を避けて引きこもろうとする人間嫌いの回避型の両方の存在はどのような影響を及ぼすのでしょうか。

数々の矛盾とジレンマ

恐れ・回避型のタイプは、人を避けて一人で過ごしたいという思いがある一方、一人は不安で誰かと一緒にいたいという矛盾を抱えています。

かといって、誰かと親密な仲になれば、それがストレスになったり、傷ついてしまうということが生じます。こういった矛盾は、人を信じたいのに信じられないというジレンマを生みます。

こういった経験からか、恐れ・回避型のタイプには、疑り深く、被害者意識を持ちやすいという傾向があります。自分をオープンにするのは苦手ですが、人に頼りたい気持ちもあります。

人に甘えたい反面、どこかにばかばかしいという気持ちもあります。基本的に人間嫌いなのに、人との関わりを求めてしまいます。こうした矛盾や数々のジレンマはどのようにして生まれてきたのでしょうか。

虐待などの過去

恐れ・回避型のタイプは親などの養育者との間に大きな問題があった過去が多く見られます。大きくなってからもまだ愛着の傷を引きずり続けている未解決型の人もいます。

傷が癒えていないため、日常生活のちょっとした事で混乱型が出現しやすいといえます。このようなタイプには過去において虐待などの重大な愛着障害を経験している場合が多いようです。

幼いころ、愛着対象との関係が不安定なうえ、虐待などの予測の付かない状況にさらされた結果、一定の対処戦略を確立することができなかったと思われます。

「恐れ・回避型」が潜んでいる場合

人はだれでも何らかの愛着スタイルを持っているものです。どのような愛着スタイルを持つようになるかは、成長を遂げていく段階で「自分の受ける愛情の環境に応じた対処戦略」をどう確立するかによって変わってきます。

幼いころに虐待などの理由で「恐れ・回避型」を身につけた人がいたとしましょう。そのような人でも、成長を遂げていく中で環境が変化し、安定した愛着スタイルや不安型スタイルもしくは回避型スタイルを身につけるかもしれません。

そのような人は、安定型や不安型もしくは回避型のタイプにみえるかもしれませんが、幼いころに身につけたのが「恐れ・回避型」です。

ですから何らかの状況により、愛着不安が高まったり、愛着の傷が再び活性化すると、「恐れ・回避型」が再出現することがあります。

境界性パーソナリティ障害に似ている

この「恐れ・回避型」の愛着障害は、境界性パーソナリティ障害に似ています。境界性パーソナリティ障害は、愛着という観点でいえば、混乱型に逆戻り・再出現した状態といえます。

混乱型が一度出現すると、情緒的に不安定になるだけでなく、一過性の精神病状態が表れることもあります。

ですから、境界性パーソナリティ障害の人は、もしかしたら「恐れ・回避型」の愛着障害かもしれません。