学生・思春期のうつ病

若者でもうつになる

うつ病は年齢を問わず誰もがなる可能性のある精神疾患で、学童期や思春期にも存在します。

若いころのうつ病は、両親の不和や別居・離婚、引っ越しや転校、友人との別れや恋人との別れなど、何かを失う「喪失体験」がきっかけとなって発症する場合があります。

思春期そのものには、特有の感情の不安定な時期がありますが、それをうつ病の症状と混同しないように注意が必要です。何でもかんでも「気分が落ち込んでいればうつ病」と決めつけないようにしなければなりません。

若年性うつ病の特徴

学童期や思春期などの若い人が陥るうつ病にはある程度の特徴があります。

たとえば、学童期や思春期のうつ病では、抑うつ感が気分としてではなく、身体の不調として現れることがよくあります。身体の不調を訴えているのに、検査しても異常が見当たらない場合は、精神的な面から考慮してみることができます。

また、抑うつ気分よりもイライラや怒りっぽさが前面に出てくることもあります。そのイライラが原因となって、自分を傷つけたり、他人を傷つけたり、たばこや薬物、援助交際、反抗的な態度などの問題行動となって現れることがあります。

周囲の人は、本人がぐれてしまって、もうどうしようもないとお手上げ状態のように感じるかもしれませんが、その問題行動の裏には若者特有のうつ病という精神的な疾患が隠れていることがあるのです。

反抗的な態度などのように目に見える悪徳とは対照的に、無気力になって、何もしなくなったり、学校を休みがちになったりすることもあります。大人のうつ病と同じように、「自分はダメだ」などの無価値観や罪悪感を抱いて引きこもってしまうことも少なくありません。

薬物治療は慎重に

学童期や思春期の年代がなるうつ病でも抗うつ薬が効果的なこともありますが、抗うつ薬のために、かえって症状が悪化したり、不安定になったりすることがあります。

安易に抗うつ薬を処方したがために、死にたいという気持ちが強まったりすることがありますから、主治医との相談のもと、慎重に用いる必要があります。

基本的に思春期は、親から離れて自立するという大人への移行期です。自立心が芽生え、巣立ちの方向へ気持ちが向いていますから、薬を飲むことに抵抗する場合があります。

自分の力だけで何とかしたい、何とか出来るという気持ちが強まる自立への移行期ですから、薬の力に頼る、薬に支配されるというのは、自分の力不足を認めることになると感じます。

また、薬に頼ることは、薬を通して大人に支配されることと間違った認知を抱いていることもあります。もし、薬を飲みたがらないとすれば、背景にはこうした心模様が存在しているかもしれないことを知っておきましょう。

ですから、うつ病の改善のために抗うつ薬を用いる場合、この年代特有の心理状態に十分配慮しながら、よく話し合って慎重に進めていくことがポイントになります。