境界性パーソナリティ障害の低年齢化

若い人

近年、境界性パーソナリティ障害の低年齢化が見られるようになっています。これには、境界性パーソナリティへの一般的な認知の高まり、心療内科などの敷居が昔に比べて低くなったことによる受診率の増加が考えられます。

また、離婚率の増加、両親の共働きによる子供との接触の少なさや子供に愛情を持てない親の増加なども要因としてあります。

発症の時期には個人差がありますが、早いケースだと小中学生の中に境界性パーソナリティ障害の症状を示す子供がいます。このような思春期頃の早い時期に発症する場合、その子の養育環境が深刻であることを表しています。

その背後には、強い愛情飢餓や極端な見捨てられ経験、ネグレクトなどが隠れている事が多いようです。問題がその子に与える影響が強いために早い時期に発症してしまうのです。

思春期独特の傾向と勘違いされる

この病気には様々な症状が見られますが、何と言っても最大の特徴は「変動が激しい」ということです。気分の点でそういえますが、ほかにも、対人関係や行動面、自分自身への見方・アイディンティティなどがごく短時間のうちにパタッと変化し、まるで別人のようになります。

それは、「さっきまであれほど機嫌が良かったのに、急に怒りだす」というふうに、まったく正反対の方向へ、両極端に揺れ動くことが多いようです。

周囲からすれば、本人の様子は操縦不能に陥っている飛行機のように思えるかもしれませんが、その中身は操縦不能というよりも、操縦がとても過激になっているようです。

そのため、どうしても家族や友人、恋人といった周囲の人との関係に支障が生じ、自分自身のことさえわからなくなってしまいます。

一般的な思春期の変化には気分の浮き沈みや反抗期があるものです。境界性パーソナリティ障害を思春期頃に発症した場合、家族や周囲は、そういった思春期独特の傾向と境界性パーソナリティ障害の変動の激しさを混同してしまい、「少し度の強い思春期の変化」くらいに考え、勘違いされることがあります。

基本的には境界性パーソナリティ障害は、数年で落ち着くようになり、終息します。年齢とともに少しずつ改善してゆきます。では、早い時期に発症した場合はどうでしょうか。

早い時期に発症するのは問題がそれだけ深刻なわけですが、その分、回復にも時間がかかります。周囲がまずい対応を続けたりすると、回復に十年以上もかかることがあります。

思春期頃の若い人は、行動力があり、後先考えない衝動性などもあるため、時には自傷行為や過食症や拒食症などの摂食障害、危険な性、非行、犯罪、薬物乱用などの自暴行為に陥ることがあります。そうなると、問題はさらに大きくなります。