私たち人間は、危険な状況下に置かれると、強い不安や恐怖心を感じます。
体が硬直したようになったり、動悸が激しくなるなどの身体症状が表れたりもします。
これは私たちが危険を察知し、次の行動に備えさせるための人間の自然な反応です。
これにより、おとずれる危険に対し、戦うか逃げるかといった行動するための用意が整います。
このように、不安や危険は命を守る防衛システムとして大切な役割を果たしているのです。
社会不安障害は過剰な防衛システムが働く
私たちの身体を守るために働くこの防衛システムも働きが強すぎるとマイナスとなります。
たとえば、人間関係に関し、他人との接触に防衛システムが過剰に働き、不安や恐怖を感じてばかりでは、よい人間関係が築けません。
社会不安障害の場合、自分の言動が他人からのマイナス評価につながるのではないかと恐れ、他人の言動に対し、不安や恐怖などの防衛システムが過剰に働いている状態です。
社会不安障害はその多くの場面で確たる証拠もないのに、「マイナスの評価を下しているに違いない」と思い込んだり、決めつけてしまう傾向が強いようです。
必要以上に働くこの不安や恐怖という防衛システムの働きを適正にしなければならないのです。