てんかんの症状「小発作」
てんかんの症状にはいくつかの種類がありますが、ここでは「小発作」について考えます。てんかんの小発作とは、最もよく見られるてんかんの「大発作」に比べると、短時間ですが意識を失ったり、体の一部にけいれんを起こすものです。
幼児期から年少期にかけておこることが多いです。
小発作の種類
小発作にはいくつかの種類があり、それは次のような名称がついています。
(1)あくび発作
これは、4~8歳くらいの子供にみられます。発作が起きると、1回に数秒~30秒ほど意識を失いますが、けいれんは生じません。1日に数回おこる場合もあります。あくび発作は、成長とともに自然に治まることが多いです。後遺症などはほとんど観察されません。
(2)ミオクロニー発作
ミオクロニー発作は、幼児期後期にみられます。突然、手足や上半身にけいれんを起こし、意識を失ってしまうこともあります。
(3)レンノックス・ガスト症候群
レンノックス・ガスト症候群は、2~8歳の子供にみられます。体全体が棒のように張り詰める強直性けいれんと、体の姿勢を保つ筋肉の緊張がゆるみ、意識を失って倒れる発作の2種類を併発するか、どちらか一つだけが発症するかします。この発作になると、治りにくく、精神遅滞などの後遺症を伴う場合があります。
(4)点頭てんかん
これは、3~6か月の幼児にみられます。数秒間、体に電気を流したようにけいれんします。うなずくように頭を曲げる、腕を伸ばして前のめりになるといった発作を繰り返します。後遺症として、精神・運動機能の発達が遅れることがあります。この発作は、予後の悪いものが多いです。